災害時の信号復旧 ハイブリッド車使い訓練
帯広署とトヨタモビリティ帯広(若林剛社長)は28日、ハイブリッド車(HV)を活用した災害時の信号機復旧訓練を、帯広市緑ケ丘9の道道八千代帯広線の五差路で実施した。2018年の胆振東部地震の停電以降、信号機滅灯対策として整備が進む「信号機電源ボックス」の使用方法を確認した。
同ボックスは、HVや発電機から電気を供給し、信号機を復旧させる機能がある。同署管内の8市町村には810機の信号機があり、このうち同ボックスが設置されているのは7機。
同署と同社が2年前、災害時の車両提供に関する提携を結んでから、HVを使用した訓練は今回で3回目。小雨の中、関係者12人が参加した。
同署員が交通整理をした上で信号機を実際に消灯させ、ブラックアウトを再現。同社所有のミニバンHV(シエンタ)から電気を供給した。同社企画グループの嶋田弘樹主任によると、燃料が満タンの場合、この車両で約5日間信号機を稼働させることができるという。この日は移動式発電機でも訓練した。
嶋田主任は「五差路で交通整理をする場合、多くの人員が必要になるが、HVで電力を供給すれば、それが不要になる」と利点を説明。同署の大山敏弘交通官は「悪天候での訓練となったが、いつ何が起きるか分からない。有事の際に対応できるよう、平素から準備を整えたい」と話した。(菊地正人)