氷室仕込みで羊・豚肉のうま味引き出す 東洋食肉が展開強化
東洋食肉販売十勝事業所(帯広市、片山丈浩所長)は、「氷室仕込み」製法で付加価値を持たせた羊肉と豚肉の商品展開に力を入れている。帯広物産協会(小倉豊会長)が協力。十勝ならではの風土を生かし、地産地消にも取り組む。(児玉未知佳)
同事業所の地下には独自の氷室がある。「氷室仕込み」は、冬に生成した約50トンの氷の冷気で肉を静置・熟成させるもの。凍る直前の温度が一定に保たれるため、肉の鮮度を保ちながらうま味を引き出せるという。
これまでは牛肉がメインだったが、「十勝ならではのオリジナル感を出し、地元に支持される商品を」との思いで、羊肉と豚肉も氷室仕込みを始めた。
かみ心地よいラム
同協会と共同開発した「十勝の彩 氷室仕込みラム成吉思汗」は、2021年に発売した「帯廣ジンギスカン」に続く第2弾の商品。柔らかく臭みの少ないラム肉をてん菜糖の甘みが特徴のオリジナルたれに漬け込み、氷室で4日間寝かせる。片山所長は「時間をかけて味をなじませることができ、たれの塩味を抑えられる。しっとりとしていて、かみ心地もよい」と話す。
価格は400グラムで1296円。ハピオ(音更町)、とかち物産センター(帯広駅エスタ東館2階)で扱うほか、八千代牧場のレストランカウベルハウス(帯広)とルーキーファームが運営する焼肉の虎各店(帯広、音更)、レストランひまわり各店(帯広)でメニューとして提供している。
トンカツでも販売
また、氷室熟成豚肉を使用したメニューをルーキーファームの協力で開発した。ニッポンハムグループの十勝めぐみ牧場(帯広)の豚肉を氷室で10日間熟成。たんぱく質が分解されて赤身が柔らかくなり、脂身の質感も軽くなるという。
レストランひまわり各店で6日から、「豚ロースとんかつ定食」(1518円)や「豚カルビ重」(968円)などとして提供している。十勝産豚肉の地産地消も目的で、グランドメニューとする考え。
同協会の木戸善範事務局長は「肉の氷室仕込みは時間も手間もかかるが、十勝ならではの食の恵みを地元の人や観光客に味わってほしいという思いで開発した。自信を持ってお薦めしたい商品ができた」と話している。
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