そうめん爆売れ エアコンフル稼働 9月目前も「涼」求め
十勝で記録的な残暑が続く中、スーパーでは8月後半を迎えた現在でも涼を求める商品に注目が集まっている。一方、屋外で働く人にとって涼を取るのは必須で、あの手この手で熱中症対策を講じている。(児玉未知佳、吉原慧)
乾麺やアイス、飲料など好調
例年、お盆明けから“秋一色”に売り場替えをするスーパーが多いが、今年は「秋」と「夏」の商品が混在している。
管内で9店舗を運営するダイイチでは直近1週間(18~24日)、そうめんや冷や麦などの乾麺が前年同期比175%、麺つゆが170%の売れ行き。アイスは氷菓系商品に需要が集中し、品薄になる店舗も。「調理の手間が少なく、冷たくて手軽に食べられるものがよく売れている」(販売本部担当者)。消費者は台所に立つのもおっくうとみられ、みそやしょうゆなどの基礎調味料は微減という。
売り場には秋サケなど旬の食材も並び始め、気温予想を見ながら商品展開に工夫を凝らしている。
管内に24店舗を持つスーパー「フクハラ」では、スポーツ飲料や炭酸飲料、ミネラルウオーターの売り上げがいずれも前年同時期に比べ3~4割増。広報担当者は「熱中症対策で水分補給が呼び掛けられるため、喉が渇いていなくても飲料を買っていく人が多いのだろう」と推測している。
秋商材売り場の設置は例年より半月遅らせて9月に入ってから展開する方針。担当者は「今年は猛暑が続くと予測が出ていたので、前もって計画を立てていた。冷夏は困るが、気温が高い分には売れ筋もはっきりしており、スーパーもお客さん側も動きやすい」と話した。
建設現場では熱中症に対策
スポーツ飲料などが欠かせないのが建設現場。萩原建設工業(帯広)では、飲料だけでなく塩あめなども現場に常備。作業員に手渡して水分・塩分補給を徹底させる現場もあるという。
さらに、ミスト扇風機を設置したり、エアコン付きソーラーシステムハウスで長めに休憩を取ったりと、体温を下げることに余念がない。
この暑さで頭を悩ませているのがタクシー業界。ガソリン価格が高騰している中、経費節減のためエアコンの使用を控えめにするよう促す社もあるというが、猛暑にはかなわない。
帯広の最高気温が35度を超えた25日、JR帯広駅前ロータリーに並んだ10台ほどのタクシーは軒並みエアコン全開。運転手たちは「ここまで暑いと、燃料は食っても仕方がない」「風力最大にしても、車が古いのでエアコンの効きが悪い」と、長引く残暑に恨み節だ。