鹿追「水素ファーム」発進 バイオガスから製造
【鹿追】家畜ふん尿由来のバイオガスから水素を製造、販売する国内唯一の施設「しかおい水素ファーム」(鹿追町北4線5)の開所セレモニーが29日午前、同所で開かれた。合わせて鹿追町は公用車として水素燃料電池自動車10台を導入、脱炭素の取り組みを加速させる。
同施設は、家畜ふん尿を発酵させたメタンガスを燃料に発電している町環境保全センター(バイオガスプラント)内にある。同ファームはこのメタンガスから水素を製造し販売する。車両に充填(じゅうてん)する水素ステーションも併設している。
施設は、環境省が実証試験で使っていたもので、町に譲渡された。4月に設立したエア・ウォーター北海道(札幌)と鹿島建設(東京)の合弁会社「しかおい水素ファーム」(鹿追、粕谷智樹社長)が水素を製造・販売する。
セレモニーには、町関係者や石川香織、中川郁子両衆院議員、小玉俊宏道副知事、十勝選出道議ら約70人が出席。喜井知己町長は「ゼロカーボンに向けた小さな町の大きなチャレンジ。再生可能エネルギーの活用をさらに進めていく」とあいさつ。関係者19人でテープカットし本格稼働を祝福した。(平田幸嗣)