搾乳ロボ導入、十勝は117戸 道農政部調査
道農政部は、道内での搾乳ロボットの導入状況などをまとめた「新搾乳システムの普及状況」を公表した。搾乳ロボを導入している農家は前年から83戸増えて382戸、うち十勝は31%に当たる117戸と地区別では最も多かった。規模拡大が進む中、省力化を見込んで積極的な投資をしている様子がうかがえる。
昨年2月1日現在で、道内の搾乳農家5311戸に調査。昨年12月下旬に結果を公表した。
搾乳ロボが道内に初めて導入されたのは1997年。労働力不足への対応から、作業を省力化する機械の導入が進んでおり、その後も毎年10戸程度で導入が進んだ。2014年度は全道で150戸だったが、15年度以降は畜産クラスター事業などの活用で導入が加速。約5年で導入戸数が倍以上に増えている。
今回の調査では、十勝管内の導入農家は前年から18戸増加。2位は根室(90戸)、3位はオホーツク(60戸)で、100戸以上で導入しているのは十勝のみとなっている。搾乳農家数からみた割合も、十勝(1113戸)は10・5%で最も高い。
十勝は規模拡大に意欲的な農家が多く、積極的な投資が図られている。搾乳ロボを導入している市内の酪農家は「労働力、労働時間削減の面で(ロボット導入の)効果を実感している」と話す。
道農政部はフリーストール牛舎・ミルキングパーラーの導入についても調査。ミルキングパーラーは主にフリーストール牛舎で導入される。人が動いて搾乳するつなぎ牛舎と比較し、まとめて搾乳ができるなど効率が良く、大規模経営で採用されている。
フリーストールの普及率も道内最多
フリーストール・ミルキングパーラーいずれも導入しているのは全道で1578戸(普及率29・7%)。十勝は481戸(同43・2%)に上り、戸数、普及率とも全道で最も高かった。
同部は「十勝では酪農家が大規模経営を行っていることを表している。搾乳ロボについては全道的に導入が続いている」としている。(中島佑斗)