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新型コロナ道内「第2波」に警鐘 札医大の當瀬教授

「第2波が来た」と注意を呼び掛ける當瀬教授

 【札幌】道内では8日から3日連続で新型コロナウイルスの感染確認件数が2桁となるなど、感染の再拡大が懸念されている。道内の発症者を調査・分析している札幌医科大学の當瀬規嗣(とうせ・のりつぐ)教授(61)=細胞生理学=は、「1月下旬から始まった第1波が落ち着きを見せたところに、新たに持ち込まれたウイルスで第2波が来た」と指摘。6月ごろまで続く可能性も示唆し、感染予防の徹底を呼び掛けている。

 當瀬氏は感染者に感染症状が出た「発症日」に注目。道や札幌市などが公表した情報を基に、感染の起点となる可能性のある「感染経路不明者(発端者)」と、発端者から感染したと予想される「濃厚接触者」の2種類に分けて、発症日ごとの感染者数を集計した。

公表は2週間後
 感染してから発症までの潜伏期間を6日前後、発症してからPCR検査が行われるまでの日数を平均7・2日と分析し、公表された日から約2週間前に感染したものと予測した。

 集計結果によると、道内では1月下旬の1例目を皮切りに、徐々に発端者が増加。春節(旧正月)や「さっぽろ雪まつり」で中国から多くの旅行者が道内を訪れたこと、同じ場所に大勢の人が集まったことが要因とみる。少し遅れる形で濃厚接触者の発症も増え始め、鈴木直道知事が行った緊急事態宣言中の2月29日には最多の5人となった。

 宣言の効果もあり、その後は発端者、濃厚接触者とも減少したが、3月中旬になっても発端者の発症がなくならなかった。19日の宣言終了後も続き、30日には5人、4月1日には7人と一気に増加。濃厚接触者の発症も再び増え始めた。

 この時期の発症者で注目したのが、欧米からの帰国者と転勤などによる道外からの来道者。「新たにウイルスが持ち込まれて第2波が形成されてしまった。ちょうど緊急事態宣言が解除され、道内でも若干の緩みが生じていたタイミングだった」とみる。

帰国や転勤など
 終息の時期については、「一つの山が落ち着くまでの期間は1カ月~1カ月半。この第2波は5月中旬~6月ごろまで続くのでは」と指摘。感染者のいなかった地域でも発症者が出ていることから、「十勝など他のエリアでもリスクはある。20~30代の感染者も増えているので、若い人も気を緩めず対策してほしい」と警鐘を鳴らす。

 東京都などで感染者が爆発的に増えており、人の往来の制限も必要と指摘。「何より大事なのは個人レベルでの行動。最も有効なのは手洗い。アルコールがなくてもせっけんで十分効果がある。小まめに手洗いを」と話している。(安藤有紀)

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