学研「牛乳のひみつ」 舞台は十勝 よつ葉が取材協力
【札幌】学研プラス(東京)はよつ葉乳業(札幌、有田真社長)の取材協力を得て、小学生向け漫画学習教材「牛乳のひみつ」を発刊した。漫画の舞台は十勝で、管内の酪農家もモデルとして登場している。
学研プラスの「まんがでよくわかるシリーズ」の154作品目。主人公の小学5年の少年が、幼なじみの少女の父親が経営する十勝の酪農家を夏休みに訪れ、酪農や牛乳について学ぶというストーリー。酪農家として、幕別町忠類の高野牧場、士幌町の永森牧場、佐々木牧場、牛乳工場としてよつ葉乳業十勝主管工場(音更)がモデルで登場する。
酪農家の仕事や飼養形態の違い、牛乳ができるまでの工程、餌や季節などによって牛乳の味が違うことなどを分かりやすく紹介。依田勉三率いる晩成社による十勝開拓の歴史についても触れている。現在の大樹町で晩成社の牧場を開き、14頭の牛の飼育を始め、牛肉やバターを販売したとし、依田が「十勝酪農の祖」として知られていると説明している。
十勝管内の8農協が中心となって設立した「北海道協同乳業」が前身のよつ葉乳業の成り立ちも紹介し、創業者の故太田寛一氏(元JA士幌町組合長、元ホクレン・全農会長)も登場する。
よつ葉乳業総務広報グループの東原輝昭部長は「酪農の基本知識や、生乳が乳業工場に入って牛乳・乳製品になる一連の流れを理解してもらえれば」と話している。
一般発売はせず、全国の小学校や公立図書館に2万5500冊を寄贈し、3月末から順次配架している。5月にはインターネット上でも閲覧できるようになる予定。(津田恭平)