幕別糠内小児童が糠内獅子舞披露15年目 創設半世紀の保存会
【幕別】糠内小学校(猪股宏亮校長、児童23人)は町の無形文化財「糠内獅子舞」を毎年披露し、地域の伝統を脈々と受け継いでいる。授業の一環で学び続けて15年目。創設から半世紀を迎えた地元の糠内獅子舞保存会から指導を受け、今年も13日の糠内神社秋祭りで堂々と奉納した。
糠内獅子舞は1904年、五位神社(現糠内神社)が創建された際、富山県からの移民によって奉納されたのが発祥。68年に住民による同保存会が結成され、同校児童への伝承は2004年に始まった。子どもたちは秋祭りや12月の公民館まつりで発表している。
秋祭りに向け、子どもたちは夜に地元の公民館で熱心に練習。6日の地震による停電の影響で練習は1日減ったが、舞を懸命に覚えて本番を迎えた。
児童は全員が参加。5、6年生は4人一組の獅子舞や対峙(たいじ)するてんぐ役などを務め、「さっさかの舞」などを力強く披露した。残る1~4年生は笛や太鼓などを担当し、りりしくも愛らしい児童たちの姿に、見守った地域住民から大きな拍手が送られた。
獅子頭を担当した森本悠我君(5年)は「緊張したけど、今までで一番よくできた」と笑顔。剣を手に獅子舞に対抗する役を演じた高木大和君(6年)は「お父さんに教えてもらった。伝統芸能を行うことは楽しいし、見てもらえるのもうれしい。大人になってもやってみたい」と話した。
同保存会メンバーは23人。この日は児童の前でより躍動感のある獅子舞を見せた。村田辰三会長(67)は「会員の年齢は上がっているが、子どもたちの指導を兼ねて今後も踊り続けたい」と地域一丸で伝統芸能を守り続ける。(松村智裕)