芽室ワイン製造にエール 研究会がシンポジウム ブドウ栽培の将来性探る
【芽室】「ブドウ・ワインシンポジウム2018inMEMURO」が3日、めむろーどで開かれた。芽室産ブドウによるワイン製造の将来性について考えた。
町産ブドウでワイン造りを目指す「MEMUROワインヴァレー研究会」(吉田知浩会長)が主催し、80人が来場した。
山崎ワイナリー(三笠市)の山崎太地さんが講演。山崎さんは両親や兄とともに同ワイナリーを経営。自社の畑でブドウを栽培し、ワインの製造から販売までを手掛けている。
山崎さんは多雪や海成土壌、夕日がよく当たるといった自社のほ場の特性を生かしたワイン造りへの思い、ワイナリーでの直販や学校の授業受け入れなどワインを通じた地域経済や教育、文化との関わりを紹介。「経営者と生産者のはざまに立っているが、あくまでも生産者でありたい。『良いワインは良い人にしか造れない』。このことを肝に銘じてワインを造っていきたい」と語った。
講演後には、山崎さん、十勝里山デザイン研究所代表の中島セイジさん(同研究会理事)、農研機構北海道農業研究センターの廣田知良さんの鼎談(ていだん)も行われた。
廣田さんは芽室の気候が赤ワイン用のブドウ品種「ピノ・ノワール」の栽培適地の気候帯に近づいていると指摘。山崎さんは「成功の近道はこの土地で生活する人が(ブドウ栽培やワイン醸造を)やること」とエールを送った。
中島さんは「ワインヴァレー研究会の取り組みはまちづくり。孫、子の世代に何が残せるか(を考えたい)」とした。
(澤村真理子)