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ばん馬体重、遺伝要因は4割 帯畜大の中堀さんが研究

ばん馬の体重と遺伝の関係を研究した中堀さん(手前)と、協力した大江さん、萩谷さん、高野さん(後列左から)

 帯広畜産大学大学院畜産学研究科1年の中堀祐香さん(22)は、ばんえい競走馬の馬体重と遺伝の関係を研究し、遺伝が体重に与える影響は4割と推定した。研究は日本畜産学会(3月・神戸)で発表し、優秀発表賞に輝いた。

 研究には、北海道有線放送の大江史晃さん(29)、帯畜大職員の高野直樹さん(46)、同大の萩谷功一准教授(47)もデータ提供などで協力した。

 中堀さんの専門分野は牛だが、馬好きが高じて今回の研究を始めた。2005~14年に生まれたばん馬2654頭について、デビュー前の2歳春の馬体重や性別、誕生月、生産地などを調査。さらに血統データをさかのぼり、2万3802頭を対象に加えた。

 性別や年齢などの影響を補正した結果、馬体重の遺伝率は0・41と推定。残りの約6割は、餌や飼育状況などの環境要因と考えられる。萩谷准教授は「遺伝率は人間の身長で6割、牛の背の高さで5割と言われている。4割あれば、効率的に馬を改良することも可能」との認識を示す。

 また、年代別に馬体重の変化を見ると、1998年から2006年ごろにかけて上昇したが、その後、10年まで急激に低下した。これは、07年の帯広市単独開催開始前後に苦戦したばんえい競馬の経営状況と重なる部分があり、興行状況も体重に影響を与えるとみている。

 中堀さんは「今後は、馬体重と競走能力の関係を研究したい」と話す。

 ばんえい競馬の番組(レース)編成を担当する大江さんは「まとまった形でデータを分析したのは意義深い」、ばんえいファンで豊富な知識を持つ高野さんは「ばんえいの血統は重要視されておらず、このような研究はありがたい」としている。(池谷智仁)

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