広尾の毛ガニ 都内で高評価
【広尾】町産の毛ガニが都内の高級料理店で高い評価を得ている。昨年から今年にかけて町関係者が取り組んだ売り込みでは、身の詰まり具合や鮮度が評判となり、一部では注文を受けて提供が始まっている。関係者はさらなる販路拡大に向けて、継続的に各店にアプローチする考えだ。
広尾漁協毛がに篭部会(保志光則部会長)と若手有志らによる「町活(い)き生きプロジェクト」(会長・村瀬優町長)が、都内への売り込みを行っている。
昨年末にはコーディネーターを通じて、ホテルの高級レストランなどに毛ガニを発送。首都圏でカニの需要が高まる12月に漁の最盛期を迎え、脱皮する前のおいしい時期に出荷できるという広尾の強みをPRした。今月16、17日には、同部会員らが各店を訪問し感想を聞き取った。
26日には町コミュニティセンターで、聞き取り調査の報告会が開かれ、毛ガニ漁師ら約20人が参加。同部会の保志弘一さんらが報告し、「身の詰まりが良い」「ミソが濃厚」「他産地とは生きが違う」などと評価され早速注文を受けたことを紹介した。中には、来季も注文する意向の店もあったという。
保志さんは「しっかり売り込めば『日本一の毛ガニ』と胸を張れるようになる-との手応えを感じた」と語った。
シシャモ、ハッカク、ツブ、トキシラズ、ウニなどの他魚種にも、販路拡大の可能性があり、今後も首都圏の高級料理店への浸透を進める構え。販促資料の制作を予定、安定受注・発送に向けた体制整備も検討する。
村瀬優町長は「広尾は漁業あってのまち。広尾の良い魚がどんどん広まっていけば」と述べていた。(伊藤亮太)