1階は避難所 児童も心配り 授業再開した新得小
災害の際に避難所となる学校施設ではどのような状態の中で児童・生徒の教育活動が行われるのか。台風10号で被災した新得町の新得小学校(原見寿史校長、児童197人)の様子を紹介する。
同小は6日現在、児童が普段通りに生活を送る中、校内の一角が町唯一の避難所として機能している。子供たちは廊下などで避難者に会えば「おはようございます」「こんにちは」と元気よくあいさつ。原見校長は「避難している方は自宅に戻れず、つらい思いをしている。子供たちは心配りや礼儀などを意識して関わってくれていると思います」と話している。
台風10号が最接近した8月31日は当初、体育館を避難場所にしていたが、グラウンド近くの道路が陥没して危険なため、1階にある1年生の教室や多目的スペースが避難場所に。9月2日に授業が再開。1年生は2階の会議室を教室代わりに授業を受けている。
児童には、勝手に避難所スペースに行かないよう指導し、付近ではできるだけ大声を出さないルールも設けた。避難者に静かな生活を送ってもらうことに気を配っている。
家庭科教室では、役場職員やボランティアが炊き出しを行っているが、時間帯を調節し授業でも使用している。原見校長は「子供たちの学習面には特に影響はありません」としている。
6日は7人が避難所で過ごした。農業手伝いの日下部壱宝(かずたか)さん(21)は「祖母と暮らしていた家は床上浸水し、1階は部屋中が泥だらけ。(水道の蛇口から)水が出る小学校で過ごせるのはありがたい」と話す。避難者は日ごとに減っているが、0人になってもすぐには通常の教室配置には戻さず、受け入れ態勢を維持する予定。(松村智裕)