政策立案コン主催 元帯広市長の孫・田本さん
【東京】帯広市出身の東京大学教養学部文科一類2年田本英輔さん(20)が代表を務める、学生団体GEIL(ガイル)が主催する「学生のための政策立案コンテスト2016」が22日から29日まで、都内の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれた。全国の大学生80人が合宿形式で、就学前後の成育環境向上に関する政策を立案し内容や実現性を競った。最優秀賞の政策は関係省庁に提案する。田本さんは「学生の政治への関心が高まる機会に」と期待している。
田本さんは1996年生まれで、若葉小、第八中、帯広柏葉高を卒業。祖父の憲吾さんは元帯広市長で、自身も幼少時から社会問題に関心があり、大学入学と同時に同団体に入会した。同団体は2年生が代表を務め、その年のコンテストを運営する形式で、昨年のコンテスト終了後、立候補し代表に就いた。
団体は関東圏の大学の1、2年生約100人で運営。今年は長期的視点が必要な教育をテーマに据え、支援団体などに話を聞き、政策を考える上での課題をまとめた。今回は北大など全国の大学から80人が参加。4人一組のチームを編成し、6日間で政策をまとめ、7日目に発表した。
参加者は福祉の現場を訪問し、関係省庁、民間の担当者からの助言も受け、徹夜でまとめたグループもあった。29日の最終プレゼンでは上位4チームが15分間かけて発表し、有識者から審査を受けた。最優秀の政策は居所不明児をなくすためのネットワークなどを提案した。途中、塩崎恭久厚生労働相が特別講演し、若い力に期待を寄せた。
今年の執行部は例年の2倍以上の大所帯で「感情論にならず、さまざまな考えをまとめるのに苦労した」と田本さん。現職閣僚が会場を訪れるのは異例で「光が当たらないテーマだったが、いろいろな政策が生まれた」と振り返る。
同団体の慣例上、コンテスト終了後は引退する。「いい経験になった。進路は決めていないが、今後もいろいろなことを経験したい」と話している。
(原山知寿子)