一人前の漁師に 広尾から12年ぶり、道立研修所で修業へ
【広尾】広尾の漁師の卵が12年ぶりに渡島管内鹿部町の道立漁業研修所に入所する。広尾高校で同級生だった4人で、「成長してきたい」と意気込む。少子高齢化でまちの若者が減る中、漁業も担い手が不足しており、関係者も4人を応援している。
入所するのは、久野真敏さん、佐々木太士さん、田村龍也さん、福田典彦さん。いずれも18歳で、5月6日に入所する。漁業に必要となる知識や技術を学ぶほか、船舶操縦士などの資格取得に励み、10月31日に修了する。
広尾では12年前に1人が入所して以来、入所はない。また、4人が一度に入所するのも近年では珍しいという。
3月31日には、広尾漁協(亀田元教組合長)の事務所で4人の激励会が開かれた。角井雄二専務が「後継者が少なく、廃業も多い中、4人が入所してくれるのは組合としも喜ばしい。町も人口が減っており、将来地元に残ってくれれば浜の活気にもつながる。研修は大変だと思うが、1日も早く1人前になれるよう頑張ってほしい」とエールを送った。
久野さんは「小さいころから漁師になりたいと思っていた。研修から戻ってきたらすぐに後を継ぎたい」、佐々木さんは「資格をできるだけ取ってきたい」、田村さんは「研修で学んで成長して帰ってきたい」、福田さんは「資格を取れるだけ取ってきたい」と抱負を述べた。
同漁協は入所にかかる費用を助成する考え。町にも支援を依頼しており、同漁協は「後継者不足の中で家業を継いでもらえるのはありがたい。漁協としてもそれらの手助けができれば」としている。(伊藤亮太)