十勝観光ハイヤーが中央タクシーと合併 83台、管内最多に
帯広市内の十勝観光ハイヤー(西19南1、小林義幸社長)と中央タクシー(西7南4、近藤茂樹社長)は2日、合併による「十勝中央観光タクシー」を4月に発足すると発表した。「観光」が存続会社となり、「中央」を吸収する形。規模拡大による従業員の雇用安定と、観光客向けのタクシー運行など経営の多角化推進が狙い。タクシー保有台数は2社合わせて83台となり、管内の業界で最多となる。
同日午前、十勝観光ハイヤーで記者会見した。吸収合併は、認可制となっているタクシー営業のスムーズな移行のためで、小林社長(45)は「対等の精神で合併する」と話す。
新会社は資本金3500万円で、本社は十勝観光ハイヤー。両社の顧客に配慮し、電話番号や車両は現状のまま。代表取締役社長に小林氏、取締役会長に近藤氏が就く。
両社の従業員の雇用は維持し、十勝観光ハイヤーのグループ会社こばとハイヤー(芽室町)からも約30人を取り込み、約170人態勢となる。賃金体系は調整の上、現状と同程度にする。顧客へのポイントカードなど両社のサービス内容は維持する。
帯広運輸支局に1月15日に合併の申請をしていた。
中央タクシーは乗務員の不足や本社屋の老朽化に加え、所在地が住宅街で夜間の騒音発生といった課題があった。近藤社長(62)は「若くてやる気のある後継者がいることが条件の一つ」とし、昨夏に合併先を模索する中で、小林社長の十勝観光ハイヤーに白羽の矢を立てた。
中央タクシーが得意としている介護や子育てタクシーなど小型車以外のサービスは、スケールメリットが必要となる。合併により小型、ジャンボ、寝台(ストレッチャー)、車いす対応車を合わせて83台となり、配車しやすくなることで「お客さまのニーズに合ったサービスができる」(小林社長)とする。
十勝観光ハイヤー側は観光などへ経営の多角化を模索しており、両社の将来像が合致した。小林社長は「従業員の雇用を守り安定させ、新たな顧客の創造に向けて新しいサービスを提供する。地域に愛させる会社にしたい」と抱負を述べた。(関坂典生)
1965年に設立、資本金2500万円。従業員は計69人(うち乗務員60人)。2014年度の年商は約3億円。小型車31台、ジャンボ2台、車いす車2台、寝台車1台の計36台。グループ会社として芽室町に「こばとハイヤー」(計17台)がある。
<中央タクシー>
1953年に設立、資本金1000万円。従業員は計69人(うち乗務員56人)。14年度年商は約2億6000万円。小型車36台、ジャンボ6台、車いす車3台、寝台車2台の計47台。
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