夜光雲、名大陸別観測所で撮影成功 国内初
【陸別】名古屋大学太陽地球環境研究所(りくべつ宇宙地球科学館・銀河の森天文台内)が、地球上で最も高い高度に発生する雲とされる「夜光雲(やこううん)」を町ポントマムの同大短波ドップラーレーダー観測所で観測し、撮影に成功した。国内での夜光雲の観測は初めて。同大が6月30日に発表した。
同観測所が撮影したのは同21日午前2時25分ごろ。北側の地平線上空(高度約80~90キロ)に、青白く光る雲が筋状に浮かんでいるのを、24時間体制で観測しているレーダーサイトのカメラが捉えた。
夜光雲は通常、夏期の極域(緯度60度以上)地域で多く観測されるが、近年は米ネブラスカ州やパリ市街など比較的緯度の低い地域にも出現している。日本ではこれまで観測されていなかった。
同研究所の西谷望准教授は「5年くらい粘り強く観測を続けてきた。クリアな画像が撮影できて感動している」とし、「地球の環境変化を示す重要な観測結果。地球温暖化とも関係していると思われるので、今後も観測を続け、発生のメカニズムを解明したい」と話している。
観測は同大、北大低温科学研究所、駒澤大学、明治大学、国立極地研究所、情報通信機構による研究グループが行い、同日未明、陸別の他、紋別市や上川管内幌加内町で複数のカメラが観測に成功した。(鈴木裕之)
<夜光雲>
通常の雲より高い高度80~90キロの中間圏に発生する特殊な雲。氷の結晶が太陽光を散乱して光る。日の出前や日没後の暗い夜空に観測されることが名称の由来。温室効果気体の二酸化炭素とメタンの増加により出現頻度が増加し、出現領域が低緯度に広がっている。地球温暖化の進行度合いを示す可能性がある現象として注目されている。
通常の雲より高い高度80~90キロの中間圏に発生する特殊な雲。氷の結晶が太陽光を散乱して光る。日の出前や日没後の暗い夜空に観測されることが名称の由来。温室効果気体の二酸化炭素とメタンの増加により出現頻度が増加し、出現領域が低緯度に広がっている。地球温暖化の進行度合いを示す可能性がある現象として注目されている。