手話ポスター完成、全戸配布へ 新得
【新得】「手話に関する基本条例」の条例案を策定した同条例研究会(桑原隆俊代表、委員14人)は、手話のポスターを製作し、近く、町内全世帯に配布する。「新得」や「わかふじ寮」など同町に関連した手話をイラストで分かりやすく紹介するとともに、町内在住のろう者が日常的に使っている手話の“方言”も盛り込んでいる。
町によると、手話ポスターの作製は約30年ぶり。町が昨年3月に全国の町村で初めて制定した同条例で、一般町民の手話への関心が高まっていることから、制定後も施策を検討している同研究会が「手話であいさつができる町であってほしい」と願い、ポスター製作を企画した。
掲載した手話は49単語。「ありがとう」「お疲れ様・ご苦労様」「よろしくお願いします」など日常的に使用する頻度の高い単語をはじめ、地名の「新得」や社会福祉法人厚生協会(鈴木政輝理事長)が運営する聴覚障害者のための授産施設の「わかふじ寮」、聴覚障害者養護老人ホーム「やすらぎ荘」も紹介。
また、全国共通の標準手話ではなく、町内のろう者がよく使う手話を覚えてもらおうと、同研究会のろう者のメンバーの手話をビデオ撮影した映像を元にイラストを描き起こした。
「あなたの家はどこですか?」「すみませんが、電話をお願いします」など、幾つかの手話で構成する例文も紹介。他に、指文字の五十音順と数字も掲載している。
A2判で、4000枚を製作した。広報紙と一緒に町内約3300世帯に配布し、各公共施設などにも掲示する。
町保健福祉課では「各家庭で掲示して手話を覚えてもらい、ろう者と手話で交流を図ってもらえれば」としている。(大野篤志)