帯三条高放送局 NHK放送コン全国初V、快挙に学校沸く
【東京】第61回NHK杯全国高校放送コンテストの決勝が24日、NHKホールで開かれ、ラジオドキュメント部門で帯広三条高校放送局(江ノ上茜局長、局員9人)が「春の壁」で初優勝した。同部門の全国優勝は、十勝勢としても初めて。
同じくテレビドキュメント部門に出場した同校の「髪の絆」も決勝に進み3位となる優秀賞だった。同校は2012年にもラジオドキュメント部門で準優勝。今回の2部門同時受賞は、同校としても十勝勢としても初の快挙となる。(酒井花)
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東京のNHKホールで24日行われた第61回NHK杯全国高校放送コンテストで、十勝初の優勝を飾り、テレビドキュメント部門でも優秀賞となった帯広三条高校放送局(江ノ上茜局長)の快挙に、同校は喜びに包まれている。決勝の結果発表で「優勝、帯広三条高校」が読み上げられると、9人の局員たちは一瞬の沈黙の後、喜びを爆発させた。高校生にとって身近な奨学金問題に深く切り込み、分かりやすくまとめた内容が高く評価された。
北海道でも数十年ぶりという全国Vの快挙に学校も沸いている。橋本達也校長は「顧問を中心に生徒が一丸となって努力を続けた結果が名誉ある賞に輝き、心から喜んでいる」と話す。同校では2学期が始まった後に、作品の鑑賞会を開くことを検討している。
全国大会に進んだ185作品のトップに選ばれた「春の壁」は、奨学金の返済に苦労する大学生の現状を約7分間にまとめた。経済格差が広まる中、学生の約半数が奨学金を利用し、そのうち多くが有利子で卒業後に返済が必要な貸与型の現状を、現役学生の生の声を拾いながら伝えた。
取材には、2012年の同部門「準優勝」経験者の先輩ら、同校の卒業生が協力した。構成では、半分の学生が奨学金を受けている現状を分かりやすく伝えるために「北大生1万8000人のうち9000人が奨学生」と具体的に例を挙げ、いかに実感を持たせるか工夫した。
監督を務めた松下春香さん(3年)は「先輩をはじめ多くの人に助けられてできた作品で、恩返しになった。2年前の先輩の準Vを超えたいと、やってきたかいがあった」と話す。
顧問の安藤佳寿哉教諭は「半年間、頑張ってきた子供たちの結果が報われた。これをきっかけに多くの人に奨学金問題に関心を持ってもらいたい」とする。
テレビドキュメント部門全国大会には188作品が参加。優秀賞の「髪の絆」は、荒麻菜絵さん(同)が中心となって制作した。十勝毎日新聞の記事をきっかけに、医療用ウィッグ製作のために、毛髪を寄付する市内美容室の運動を取り上げた。
「春の壁」は8月22日午前10時からNHK・FMラジオで、「髪の絆」は8月14日午前9時からEテレでそれぞれ放送される予定。(酒井花)
◆NHK杯全国高校放送コンテストについて
・NHK杯全国高校放送コンテスト結果-日本放送教育協会公式ホームページ
・大会最終結果と受賞4作品(三条高校の作品含む)の動画の閲覧-NHK公式ホームページ
◆NHK放送コン全国初V関連記事
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