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産地ならでは「そば学習」 新得高校 まちマイ新得編

新そば祭り出店に向けてそば打ちの練習に励む生徒たち

 「その太さだと相当ゆで時間が必要だぞ」。名人からの厳しい指導を受けながら、真剣に手打ちそばの練習に励んでいるのは新得高校(林裕司校長、生徒74人)の生徒たち。サークルとして活動する有志が全道・全国大会や「新そば祭り」に参加している他、昨年からは1年生の授業にも「そば学習」が組み込まれた。産地ならではのユニークな取り組みだ。

 以前から体験授業は行っていたが、2011年に開催された「第1回全国高校そば打ち選手権」に生徒有志が初出場した。生徒たちは放課後に地域の“そば打ち名人”たちから手ほどきを受け、めきめきと上達。12年の第2回大会で団体優勝を飾った。

 今年4月に行われた第3回大会では高島悠未さん(2年)が個人戦で準優勝。今や幌加内高と並んでそば打ち強豪校の“双璧”となった。現在有志は9人で活動しており、11年から参加している「新そば祭り」(29日開催)出店に向けて技術アップに励んでいる。3年生の結城杏奈さんは「1日2回打てば、2回目の方がきれいに打てる。やればやるだけ上達できる」と面白さを話す。

 1年生メンバーも6人おり、名人たちから基本を仕込まれている最中だ。地元出身の田村亮太君は「見ていると簡単そうなのに、特に“ねり”が難しい。コツはつかんできたので、ソバ祭りではしっかり役目をこなしたい」と燃えている。生徒たちには、そば打ち「初段」取得という目標もあり士気は高い。

 昨年からは1年生の総合的な学習の時間(地域学習)に、そば授業を取り入れている。今年度は4~9月に集中して行い、月2回のペースでそば打ちの実習に取り組んだ他、プロの料理人やJA職員の講演も聞いた。今月18日には仕上げの実習として、町内の老人ホームを訪れ、自分たちで打ったそばを提供した。

 そば打ちに取り組む中で、調理関係の進路を志す生徒も現れた。清水隆弘教頭は「特産品のそばを通じて地域を深く理解してほしい。そば打ちを覚えたら、将来子供に打ってあげられるかもしれません」と語った。(古川雄介)

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