2023トップインタビュー「帯広葵学園 上野敏郎理事長」
「大切なものを見る目」を養える、子どもと大人のつながりを強めたい
昨年は、帯広市の開拓140年を記念して静岡県松崎町の旧依田邸にて、同町出身で帯広に開拓の鍬を入れた依田勉三翁と晩成社に感謝する「ありがとう 開拓140年」と題した展示会を開けたことが印象に強い。
今では、日本全国・海外にも広がる「光る泥だんご」を松崎町から学び、幼稚園・保育園の現場に取り入れたご縁もあり、帯広葵学園の催しとして開催できた。葵学園の子どもたちが作った140個の光る泥だんごを展示できたこと、何より、会場を訪れた町民の皆様が「遠く離れた北海道十勝を開拓した依田勉三翁を誇りに思う」と口々にしていただき、心の底から感じ入る出来事だった。
1968年に9人の園児からスタートした葵学園(当時は葵幼稚舎)も、幼稚園型認定こども園(帯広の森幼稚園、つつじが丘幼稚園)を中心に、幼保連携型認定こども園、小規模認定保育園、保育所、企業主導型保育園、未就園児教室、発達が気になる子どものための療育たいせつ型障がい児通所支援事業所「あおいとりプラス」など、多くの子どもたちと向き合う機会を得られるようになった。
私の教育の原点は、学生時代に参加した、子どものための病院を作る「青い鳥十字運動」にさかのぼる。その中で学んだ、すべての児童の幸福を図るために定められた日本の「児童憲章」を基本に、人がよりよく生きるために必要な「大切なものを見る目」を子どもたちに伝えていきたい。
そうした当学園の理念は、現場の先生や職員にも浸透していると実感する。運動会の伝統競技のひとつ「竹登り」では、登れない子どもも含めて達成感で満ちあふれている。これは、大人(先生)と子どもたちが心でつながっているからこそ見られる光景だと思う。
新年を迎えても大きな変化はないが、今年も年間200冊の絵本の読み聞かせや、12曲以上の童謡指導を大事にし、子どもたちの大きな発表の場である「とかち童謡まつり(帯広文化ホール・大ホール)」を開催するなど、子どもたちとしっかりとつながっていきたい。
2023トップインタビュー「帯広葵学園 上野敏郎理事長」
<学校法人 帯広葵学園>
帯広市西12条南17丁目3 難波ビル2階
TEL:0155・23・7604
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