【写真特集】課題山積の10年目 廃炉作業続く福島第1原発
東日本大震災による福島第1原発事故から10年。十勝毎日新聞社は3月末、廃炉作業が行われる福島第1原発構内を取材した。東京電力が最大40年とする廃炉作業は、最大の課題の燃料デブリ取り出しや、13日に海洋放出の方針が決まった処理水、廃棄物の保管など課題が山積する。事故から10年を迎えた原発の状況を写真で紹介する。
(文・小林祐己、写真・塩原真)
※電子版「電子版ジャーナル」に詳細記事あり ルポ「廃炉の行方~10年目の福島原発」
(1)太平洋に面して広い敷地を持つ第1原発。3号機、4号機(写真奥左から)の周囲も処理水などの貯蔵タンクが立ち並び、東電によると敷地に余裕はなくなっている。
(2)放射性物質で汚染された水を浄化処理した「処理水」を保管する貯蔵タンク。現在1047基あり、週に1本のペースで新設が必要になっている。
(3)炉心溶解(メルトダウン)した3号機の原子炉建屋。カバーの隙間に見える大破した壁面が、水素爆発の威力の大きさを伝えている。
(4)千島海溝沿い巨大地震による津波に備え、昨年秋に海抜10メートルの海側に完成した防潮堤。想定11メートルの津波に備えるが、新たに日本海溝沿い地震の津波想定が出され、約5メートルのかさ上げが必要になっている。
(5)構内敷地北側の廃棄物処理ゾーンに建設中の巨大な大型廃棄物保管庫。日々の廃炉作業で出るごみ処理が課題の一つとなっている。
(6)処理水のサンプル(左)に放射線測定器を当てると低い数値を示した。国は13日に海洋放出の方針を決めたが、漁業者らからは風評被害を恐れて反対の声が上がっている。
■【動画】防災ジャーナリスト渡辺実氏が語る「10年目の福島原発」
防災ジャーナリスト渡辺実氏が語る「10年目の福島原発」
十勝毎日新聞社が3月末に行った福島第1、第2原発の取材には、防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏(まちづくり計画研究所所長、東京)が同行した。事故直後から現在まで原発と福島の歩みを見続ける渡辺氏に、事故発生から10年を迎えた原発の今を語ってもらった。