とかち財団とJA系法人が起業家人材の育成で連携
とかち財団(長澤秀行理事長)と一般社団法人「AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)」(東京、荻野浩輝理事長)は12日、起業家人材育成に向けた連携協定を締結した。とかち財団が人材育成で他団体と連携協定を結ぶのは初めて。アグベンチャーラボが持つネットワークを生かし、食と農、地域の新たなイノベーション創出を加速化させる。
オンラインで、長澤理事長と荻野理事長が記者会見し、協定書に署名した。
アグベンチャーラボは2019年、JAグループ全国連の8団体が農業を核とした事業創発やサービス開発を目指し、共同で設立した。同年10月、JAグループの2法人がアグベンチャーラボの紹介を受け、財団の職員がラボを訪問。その後、両理事長の会談を経て連携協定について協議し、方向性を確認してきた。
協定事項は(1)起業家人材の育成(2)地方と首都圏の人材交流(3)拠点の相互活用-の3本柱。とかち財団とアグベンチャーラボは、事業創発や起業家育成で、目的を同じとすることから、互いの強みを生かして地域課題の解消を目指す。
今後、アグベンチャーラボが支援する起業家を十勝に招き、広大な農場で実証実験を行うなど、十勝での新たなビジネスの可能性について探ってもらうことも考えている。十勝の起業家もアグベンチャーラボの幅広いネットワークを生かし、事業拡大などにつなげることも期待される。
記者会見で長澤理事長は「協定をきっかけに全国的につながりを拡大させ、十勝の農産物にさらに付加価値を付けることができれば」、荻野理事長は「十勝の農業者がイノベーションを利用して成功するさまを日本中の農業者に見せ、農業の魅力を伝えられれば」と話した。(川野遼介)