高齢者が市役所でヒップホップの「ゲリラパフォーマンス」
高齢者のヒップホップダンスが昼休みの市庁舎をジャック―。帯広市内の社会参加型デイサービスさくら(久保陽一施設長)の利用者らは25日、帯広市役所の市民ホールでヒップホップダンスのゲリラパフォーマンスを実施した。
インターネットなどで不特定多数の人が示し合わせて行う「フラッシュモブ」の手法を取り、ホールでダンスを披露した。市役所でフラッシュモブによるパフォーマンスが行われるのは初めて。
パフォーマンスには、施設の利用者13人、スタッフ9人、帯広のダンス教室「ダンススタジオフュージョン」(堂前幹治代表)のダンサー6人が参加した。ダンスが行われたのは、市庁舎玄関の右手にある市民ホール。正午すぎに突然始まったダンスに、昼休憩で買い物に出ようとした市職員の多くが、足を止めた。
デイサービスさくらでは、ニュージーランドのドキュメンタリー映画「はじまりはヒップホップ」に刺激を受け、昨年11月から利用者らがヒップホップの練習を開始。施設職員がフュージョンの堂前代表からダンスの指導を受け、利用者らに伝えている。活動当初は数人程度の参加だったが、今は週に1~3回、約60人が練習しているという。
さくらでヒップホップダンスプロジェクト推進担当を務める中村朋子さんは「今回のフラッシュモブには『高齢者は弱者ではない。十勝のお年寄りはまだまだ元気』というメッセージを込めた」と話している。(奥野秀康)