飛行船実験を中断 早ければ07年度から再開 大樹
【大樹】2004年度、町多目的航空公園で行われた「成層圏プラットフォーム」計画の定点滞空飛行試験が、今年度は実施されないことが正式に決まった。関係者によると、評価委員会で検討後、早ければ07年度から再開する見通し。現在、同公園の格納庫に保管されている全長約68メートルの飛行船は耐用年数の関係上、5月中旬から解体する。
「成層圏−」は高度約20キロの成層圏に全長250メートルの無人飛行船を打ち上げ、通信放送、地球観測、災害監視などに活用する計画。総務省、文部科学省が1998年から研究に着手、独立行政法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)が主体となり各種試験を実施。定点滞空飛行試験は98年度から04年度まで、内閣府の「ミレニアムプロジェクト」に位置づけられた。
今後は両省による評価委員会がこれまでの試験内容を精査、全長150メートル級の飛行船による技術実証試験など次のステップへの移行を検討する。
JAXA航空利用技術開発センター・成層圏プロジェクトユニットの竹田繁一計画管理チーフマネジャーは「当初は飛行船に太陽電池パネルを取り付ける試験を大樹で予定していたが、予算の折り合いがつかなかった」と説明している。
JAXAは格納庫を当面維持する方針。伏見悦夫町長は「次の段階に進む場合は改めて大樹での実験を要請する」と話している。(松村智裕)