スズメバチ「刺激しないで」 威嚇されたら静かに後退を
芽室町内で20日、10代から70代の男女17人がキイロスズメバチに刺された。一般的に、人にとってスズメバチが危険な時期は7~10月とされ、巣に近づくと攻撃をしてくる確率が高まる。巣を見つけた際は、その場から離れる、周囲を飛び回っている場合は静かに後退するなど「刺激をしない」対応が求められる。
ひがし大雪自然館(上士幌町)の田中愛梨学芸推進員は「スズメバチは巣を守る行動をする。巣を見つけたらむやみに近寄らないようにして」と話す。巣は樹上や軒下のほか、土の中など目立たない場所にあることもある。「スズメバチが潜り込んでいる場所には、巣がある可能性がある」という。
田中学芸推進員によると、スズメバチは刺す前に、大あごを「カチカチ」と鳴らしたり、人の周りをぐるぐる飛ぶなど気にしている様子(威嚇行動)をすることが多い。手で振り払ったり、大声を出すなどはしてはいけない。警戒や威嚇をされた場合は、走ったりせず、落ち着いて静かに後退し、その場を離れることが重要だ。
刺された場合は、速やかにその場を離れ、刺された場所を洗って毒を絞り出し、患部を冷やすことが有効とされる。
田中学芸推進員によると、ハチの毒そのもので命を落とすことはほとんどないが、ハチ毒による強いアレルギー反応(アナフィラキシーショック)が起こると命に関わる。「一度でもハチに刺されたことがある方なら起こる可能性がある」と注意を促す。
刺された後、少しでもめまいや息苦しさなどの異常を感じた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があるため、早期に医療機関を受診する必要がある。
また黒い服や香水、整髪剤などの匂いはハチへの刺激となる可能性があり、野外活動の時には身に着けないことも対策になるという。(中島佑斗)
◆関連記事
・17人ハチに刺される 帯広の森テニスコート 命に別条なし-十勝毎日新聞電子版(2025/07/20)