寅の絵に感動、十勝石に彫る 芽室の橘さんが鹿追駐在所の押野見さんに贈る
【芽室】芽室町の元農業橘照(80)さんは、新得署鹿追駐在所警部補の押野見祐司さん(58)が描き鹿追神社に昨年12月奉納した寅(とら)の絵に感嘆。趣味としている十勝石(黒曜石)の加工で寅の絵を表現し、同駐在所に贈った。
橘さんは、十勝石を磨き文字や絵を彫るなど作品づくりを楽しんでいる。過去には百人一首のかるたを制作したこともある。
押野見さんが絵を奉納した新聞記事を見て、迫力ある寅の絵を十勝石に彫り込んだ。2月下旬に橘さんが同駐在所に届けた。
贈り物に感激した押野見さんは、橘さんのアトリエに多くの作品が並んでいると知り「ぜひ見学したい」と頼み、橘さん宅を訪問した。
棚には橘さんがこれまで7年間に作った約300個の作品がずらりと並んでいた。磨かれて平らな面の十勝石に鳥や動物を彫り込み、聖徳太子が十七条憲法の冒頭に掲げた「和を以て貴しと為す」や、「そだねー」という流行語などを彫って塗料で着色。コロナ禍で疫病退散を念じ「アマビエ」の最新作も飾られていた。
押野見さんは絵画やイラストを趣味とし、黒板アートの技法を子どもたちに指南することもあるという。橘さんの作品を手に取り「素晴らしい」と感嘆の声をあげ、改めて贈り物に感謝した。(吉田政勝通信員)