十勝毎日新聞 電子版

Tokachi Mainichi News Web

劇団演研が創立40周年 5年ぶり「楽屋」再演

40周年記念公演に向け、本番さながらの稽古を続ける演研のメンバー

 帯広の劇団演研(片寄晴則代表)が今年、創立40周年を迎えた。旗揚げからこの間、片寄代表をはじめ芝居を愛するメンバーが真剣に芝居と向き合い、質を追い求めてきた。20日に演研・茶館工房(大通南6)で始まる記念公演の演目に選んだのは、5回目の上演となる「楽屋」。35周年など節目に演じてきた思い入れある作品で、演出を務める片寄代表は「今回が最後の上演になると思う。より深い表現を求めつつ、無駄な物をそぎ落とした集大成にしたい」と意気込んでいる。

 同劇団は1975年、より高いレベルの演技を追究しようと市内の複数の劇団の団員が集まり、旗揚げした。当時の帯広勤労者福祉センター(西4南9)で第1回公演を行い、その後も飲食店や映画館などを会場に公演を続けた。

大通茶館 拠点に
 79年に大きな転機が訪れた。公務員だった片寄代表が転勤で一時帯広を離れたが、翌年、片寄代表が仕事を辞めて大通茶館(大通南6)を開店。喫茶店兼小劇場として利用するようになった。90年には自前の常設劇場「演研芝居小屋」を西2南17で立ち上げ、公演に臨んだが、2001年に建物の取り壊しのため閉鎖。06年に大通茶館の2階を団員自らが改修し、稽古場兼劇場のアトリエ「演研・茶館工房」とした。

 「少ないメンバーの中、オリジナル作品では役者を意識した当て書きになり、力が付かない」(片寄代表)と、既成作品にこだわり上演してきた。これが結果として中央演劇界との同時代性を感じさせ、演研の特徴ともなった。

 映画「幕が上がる」(シネマ太陽帯広で12日まで上映中)の原作者で、今や日本を代表する劇作家となった平田オリザさんとは、96年に十勝毎日新聞が主催した演劇ワークショップを通じて交流が始まった。平田さん作の「走りながら眠れ」などを上演し、25周年の際は平田さんが演研のために「隣にいても一人」を書き下ろした。

 今回上演する「楽屋」(清水邦夫作)は、チェーホフの「かもめ」を上演中の、とある劇場の楽屋が舞台。女優のすさまじいまでの“業”をユーモア交じりに描いた作品で、「女優の“怨念”は自分たちが演劇に込める強い思いにも通ずる」(片寄さん)。出演は上村裕子さん、野口利香さん、坪井志展さん、金田恵美さんの4人。5回目の上演で初めて前回と同じキャストで挑む。

「思いを感じて」
 その分、片寄代表が役者に求めるハードルはより高くなっている。茶館工房での上演は初めて。片寄代表は「お客さんも『観客』という役で芝居の成立に欠かせない。暗闇に身を委ねて楽しみ、劇場に漂う芝居への思いを感じてもらえれば」と話している。

 上演は20日午後8時、21日午後2時と同6時、27日午後6時、28日午後2時と同6時の6回(21日午後2時の回は既に満席)。前売り券1500円、当日券1800円、高校生以下500円。勝毎サロン(藤丸7階)、劇団演研(0155・25・7140)で扱っている。(大谷健人)


◆劇団演研「楽屋」について
劇団演研-公式ホームページ

更新情報

ラグビーのコベルコカップU18道代表に帯工高の大須賀、十勝出身・遠軽高の朝倉、上村、吉田がU17道代表入り

紙面イメージ

紙面イメージ

7.30(火)の紙面

ダウンロード一括(89MB) WEBビューア新機能・操作性UP

日別記事一覧

十勝の市町村

Facebookページ

記事アクセスランキング

  • 昨日
  • 週間
  • 月間

十勝毎日新聞電子版HOME