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豆アートギネス記録の相馬農高、十勝へ招待 十勝世界一プロジェクト

十勝の人と交流を深めた遠藤さん(前列左から2人目)と佐々木さん(同3人目)

 豆で巨大な絵を描く「豆アート」でギネス世界記録認定を目指す「十勝『世界一』プロジェクト」は、豆アートのギネス記録を持つ相馬農業高校(福島県南相馬市)の生徒2人を十勝に招いた。2人は9~11日の3日間を十勝で過ごし、帯広の大学生や高校生と交流を深めた。

 相馬農業高校の生徒たちは今年3月、福島県産農作物の風評被害を払拭しようと約300平方メートルの豆アートを作り、7月にギネス世界記録に認定された。十勝のプロジェクトでは500平方メートルの豆アートを企画しており、メンバーの中には「記録を塗り替えることが震災や原発事故に負けまいと頑張る福島の人や高校生を落胆させないか」との思いが生まれていたという。

 そのため豆部門リーダーの吉村透さん(39)=丸勝勤務=が南相馬の高校生との交流を模索し、かつての相馬藩主の子孫で、過去に大樹に住んで被災地支援にも取り組んだ相馬行胤さん(40)=広島県在住=に相談。相馬さんも「南相馬と十勝の橋渡しは自分にしかできない」と高校に掛け合い、生徒を十勝に招くことが実現した。

 今回南相馬から訪れたのは同校生産環境科の佐々木花菜子さんと遠藤亜美さん(ともに2年生)。プロジェクトの実働部隊となっている帯広畜産大学のサークル「あぐりとかち」のメンバーや帯広農業高校の生徒らと交流し、十勝の農家の様子を見学した。

 2人は「福島は稲作が中心。十勝は小麦やナガイモなどいろいろな作物が栽培され、農家の規模も大きくて驚いた」と話した。10日には十勝ヒルズ(幕別)で、十勝産の食材を使ったピザを味わうなど十勝を楽しんだ。前日の9日には豆アートの本番(8月30日・中札内交流の杜)に向けた豆の袋詰め作業を手伝い、最後の5万袋目を2人が詰めた。

 佐々木さん、遠藤さんともに「記録が抜かれるのは複雑な思い」と話すが、「十勝の豆アートは規模が大きく完成が楽しみ。南相馬から成功を願っている」(佐々木さん)、「いつかは十勝の人と一緒にギネスに挑戦できたら」(遠藤さん)と、十勝の挑戦にエールを送った。吉村さんも「十勝として“豆を背負っている”という思いで正々堂々とギネスに挑戦したい」と話していた。(大谷健人)


◆十勝「世界一」プロジェクトについて
十勝「世界一」プロジェクト-公式Facebookページ

◆相馬農業高校について
福島県立相馬農業高等学校-公式ホームページ

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