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大樹で大気圏再突入カプセル開発実験

ヘリコプターに積まれる観測カプセルのデモ機(19日午前10時40分ごろ)

 【大樹】ロケットなどが大気圏に再突入した際、その廃棄処理過程を観測するためのカプセルの開発実験(高空落下試験)が19日、大樹町で行われた。小惑星探査機「はやぶさ」の再突入カプセルを開発した「IHIエアロスペース富岡事業所」(群馬県富岡市)が実施、カプセルには「はやぶさ」の技術も一部に使用されている。

 国産ロケットのH-2A・Bロケット2段目などは、ミッション終了後に大気圏に再突入させ、空力により処理している。今回のカプセルは一緒に大気圏に再突入させて燃えていく様子を観測し、破壊高度や破片形状を知る。同事業所によると、この種の観測カプセルは世界でもまだ開発されていない。

 実験では同カプセルのデモ機(直径35センチ、重量3キロ)をヘリコプターに搭載し、大樹沖約5キロの海面に高度1キロから落下させる。今回は▽落下中にカプセル内のカメラで上空を撮影▽高度600メートルでパラシュートを開傘▽着水後に観測データを通信衛星経由で地上に送信-の3ミッションに挑む。このうちパラシュートの開傘は、はやぶさの技術を継承しているという。

 この日は午前10時50分すぎ、カプセルを積んだヘリコプターが町多目的航空公園を離陸。海上では大樹漁協の協力を得た。午後3時半ごろまでに同カプセルが回収され、地上班に引き渡される。大樹町での同実験は初めてで、試験隊長の杉村文隆・宇宙利用技術室主査は「(大樹は)実験に対する協力態勢が整っている」と話した。

 はやぶさの再突入カプセルやパラシュートは、23~27日に大樹町生涯学習センターで特別展示される。(佐藤圭史)

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