帯広出身の八鍬新之介さん 「ドラえもん」映画を監督
【東京】帯広市出身の八鍬新之介さん(32)が、8日公開の「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~」で、監督デビューを果たした。春休み期間を中心に毎年延べ300万人超の観客を動員する人気アニメ映画シリーズで、今年は原作者の藤子・F・不二雄さん(故人)の生誕80周年記念作としても注目を集めている。八鍬さんは「初監督作品が多くの人に見てもらえるシリーズでうれしい」と喜んでいる。
八鍬さんは帯広市教委の八鍬祐子教育長の次男で、帯広八中、帯広柏葉高、日大芸術学部放送学科を卒業。在学中からテレビ番組の制作会社で働き、2005年に「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」などで知られるアニメ企画・制作会社「シンエイ動画」(西東京市)に入社。テレビアニメ「ドラえもん」の演出を手掛けてきた実績が評価され、劇場映画を任された。
シリーズ34作目の今作は82年公開の「ドラえもん のび太の大魔境」をリメークした。一昨年9月から原作漫画を基にシナリオを練り、自ら絵コンテを執筆。作画や美術、撮影など数百人が分担して進めた制作業務を統括し、上映時間109分の壮大な冒険ストーリーをまとめ上げた。
「表現をじっくり突き詰める作業が面白かった」と振り返るデビュー作の見どころを、「ペコ(子犬)のかわいらしさとジャイアンの格好良さ、大魔境のスケール感。古くからのファンも楽しめる」と強調。「歴代作品と同様、見てくれた子供たちが大人になっても愛せるような映画にしたかった」とも語る。
将来は「もう1本、ドラえもんの映画を作りたい。オリジナルのストーリーを使った作品に挑戦できれば」と新たな夢を描いている。
十勝では、シネマ太陽帯広(帯広市西3南11)で上映される。(岩城由彦)