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オゾン観測に成功 JAXA今年度最初の気球実験

放球されたポリエチレン気球(15日午前5時半ごろ)

 【大樹】宇宙航空研究開発機構(JAXA)は15日早朝、町多目的航空公園内の大樹航空宇宙実験場で今年度最初の気球実験を行った。ゴム製と薄膜ポリエチレン製の小型気球2機を放球。2種類のオゾン観測装置で地表から上部成層圏のオゾン濃度を高度別に測定するなどした。

 昨年度、悪天候の影響で延期になった理学観測実験。ゴム気球(直径7メートル)には空気をポンプで吸い込んでオゾンの濃度を測定する「電気化学式オゾン観測装置」を搭載し、空気が濃い高度30キロ周辺のデータを集めた。フィルムの厚さが3・4マイクロメートル(1000分の3・4ミリメートル)の薄膜ポリエチレン気球(直径30メートル)では高度40キロ周辺のデータを調べた。空気が薄いため、太陽光の吸収率からオゾン濃度を算定する「光学式オゾン観測装置」を使った。

 2機は、ほぼ同じ軌道を通ってデータが取れるように短い間隔で放球。濃霧の中、ゴム気球は午前4時50分、ポリエチレン気球は同5時40分に空に浮き上がった。いずれもオゾンの観測に成功し、同実験場東部の太平洋上に着水した。

 JAXA宇宙科学研究所大気球実験室の吉田哲也室長は「風の影響で放球間隔が予定(30分)より伸びたが、うまく飛んでくれた」と振り返った。今後、収集したデータを詳しく解析する。(関根弘貴)

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