「くじけず再挑戦したい」堀江元社長ら記者会見
【大樹】堀江貴文・元ライブドア社長が創業者の事業会社「SNS」(東京)とNPO法人「北海道宇宙科学技術創成センター」(HASTIC、札幌)は29日午後、町多目的航空公園で記者会見を開いた。同日実施した小型液体燃料ロケット「ひなまつり」の打ち上げ実験で、ロケットが爆発した原因などについて説明。堀江元社長らは「想定内のトラブルだった。ロケット開発に失敗はつきもの。くじけず再挑戦したい」と述べた。
記者会見で、実施責任者の永田晴紀北大教授は爆発について「原因は究明しきれていない」とした上で、「燃料と酸素を供給する部分に起因する可能性が非常に高い」と説明。関係各所に説明していた想定内のトラブルだったとし、「今後行う実験に支障はない」と強調した。
今後の対策については液体酸素の供給を止めるバルブ(弁)を付ける考えを示し、「迅速な消火と復旧ができるよう態勢も組み直す」とも述べた。
HASTICの伊藤献一理事長は「一歩足踏みしたが、今回のトラブルが大きな糧となる。次に生かしたい」とした。同ロケットは全長4・1メートル、重量98・5キロ。着火後、発射せず、発射台にとどまったまま爆発した。(関根弘貴)
■堀江元社長の一問一答
-今後の対策と目標は。
今後は私も準備段階から参加し、二度と同じような事故を起こさないつもりだ。もっと遠くへ飛べるようにしたい。目標は高度100キロ。誰もが普通に宇宙に行ける世の中をつくりたい。ビジネスのためにロケットを開発しているわけではない。ただ、実験を続けるためにビジネスは必要。刑務所では火星に行きたいと考えていた。生きているうちに、太陽系の外まで行ってみたい。
-実験場がある大樹町は、どんな存在か。
なくてはならない存在だ。行政、漁協など地元の方々が温かく協力してくれる。こんな場所は全国どこにもない。環境的にすごく恵まれていると思う。アメリカでは宇宙港を造って産業振興しようとする考えがある。これからも自信を持って宇宙のまちづくりを推進してほしい。宇宙産業が立地すれば、雇用面、経済面での恩恵は大きい。子供たちにも夢を与えられる。宇宙を目指す若者たちも目が向くはずだ。
-HASTICなどが立ち上げる「スペースポート(宇宙港)研究会」に参画する考えは。
ロケットの打ち上げ実験をやっていることが、そこ(参画)につながる。実験が成功すれば、宇宙港の実現につながる。