高コスト農業 創意工夫で打開へ
2024年、十勝管内JAの農畜産物の取扱高(概算)が、史上最高額の3,770億円となりました。猛暑で一部の作物が大きな影響を受けた前年から一転し天候に恵まれたことで、JA系統外の商系を含めると4,000億円超えとの見方もあります。今後は、気候変動対策、飼肥料の海外依存からの脱却など環境変化への対応が一層必要になってきます。営農人口が減る中で、先進技術や人工衛星、AI(人工知能)などのスマート農業を取り入れた省力化は有効で、環境に優しい持続可能な農業の推進も、これまで以上に求められます。足元では肥料や飼料など資機材価格が高止まりし、畑作・畜産酪農ともに生産者の厳しい経営環境は続いていますが、国内農業の先進地である十勝は、ピンチをチャンスに変え、逆境を乗り越えて、さらに競争力を高めていけると期待しています。
当フォ ーラムは1993年から道内の研究機関の成果と、十勝毎日新聞に掲載された農業関連記事をまとめた「農業新技術·十勝農業情報ハイライト」を発行してきました。2025年版は、道総研十勝農業試験場、畜産試験場のご協力をいただき、16件の研究成果を収めました。協力をいただいている帯広畜産大学の研究成果も、引き続き掲載しております。恒例の座談会は「創意と工夫で乗り切る高コスト」がテーマです。
また、十勝毎日新聞電子版内に設けた「農業新技術」コーナーでは、全てのペーを閲覧でき、十勝管内はもとより、全道、全国へと情報発信しています。 冊子は各JAを通じて組合員の皆さまへ無料配布しています。2024年の記録として、また新たな営農の参考として活用いただければ幸いです。
最後になりましたが、制作に協力をいただいた関係機関、冊子の配布を引き受けていただいた管内各JAの皆さまに心からお礼を申し上げ、刊行のあいさつといたします。
十勝農業フォーラム
代表 林 光繁