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いざ行け昇竜へ 能戸(音更出身)4位 牧野(帯広出身)育成1位 プロ野球ドラフト会議

指名された中日ドラゴンズの帽子を被り、笑顔を見せる音更町出身の能戸輝夢(学校提供)

 十勝から2年連続で2人のプロ野球選手が誕生した。東京都内で23日に行われたプロ野球ドラフト会議で、中日ドラゴンズから音更町出身の能戸輝夢(きらむ)外野手(18)=茨城・明秀日立高3年=が4位指名、帯広市出身の牧野憲伸投手(26)=オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ=が育成1位指名を受けた。両選手はけがに苦しんだ時期を乗り越え、日本野球界最高峰の舞台にたどり着いた。(織戸駿哉)

「恩を返せるように」 とかち帯広シニア出身者で初 能戸輝夢
 “輝く夢”がかなった。中日から4位指名を受けた能戸輝夢は「4位で指名されるとは思わなかったので、すごく驚いた」と心境を語った。

 昨夏から明秀日立高で主将を務め、今夏の全国選手権(甲子園)に出場。茨城県大会準々決勝で左足首の靱帯(じんたい)を断裂する大けがをしたが、甲子園1回戦の聖隷クリストファー(静岡)戦で代打出場。二ゴロに終わったが、懸命に走り抜く姿はチームを勢いづけた。持ち味は長打力と打球速度。高校通算本塁打数は10本を超える。

 「一番は母に感謝を伝えたい」と能戸。母志保さん(40)は「言葉になりません。うれしいです」と感無量の様子。志保さんは「ここからがスタートだと改めて実感してもらい、たくさんのファンの方々に愛される選手になってほしい」と背中を押す。

 能戸が中学生時代に所属した硬式のとかち帯広リトルシニアの森徹監督は「(当時から)大きかったし、能力の高い選手だった。うれしいです」と、チーム初となるプロ野球選手の誕生を喜んだ。「真面目なやつなので。がむしゃらにやってほしいが、けがには気を付けて」と期待を込めた。

 つかみ取った夢の舞台。「今でも足りない部分は多いが、関わってくれた方々に恩を返せるように頑張りたい」。夢を追う選手から、夢を与える選手へと駆け上がる。

<のと・きらむ>
 2007年5月15日、音更町生まれ。18歳。183センチ、80キロ。右投げ左打ち。木野東ブルーサンダーズで小学1年時から野球を始めた。とかち帯広リトルシニアを卒団後、茨城の強豪・明秀日立高へ進学。今季は主将としてチームを夏の甲子園へ導いた。



ドラフト会議終了後に行われた記者会見で決意を語るオイシックス新潟の牧野憲伸(チーム提供)

はい上がった遅咲き26歳左腕「いち早く即戦力に」 牧野憲伸
 26歳の苦労人がついにNPBの扉をこじ開けた。牧野憲伸はドラフト会議終了後の記者会見で「うれしいです」と胸をなで下ろした。

 白樺学園高時代は3年夏に北大会準優勝。大学は強豪・富士大に進んだが、肘のけがなどに悩まされ、4年間でリーグ戦の登板はゼロ。それでも、くじけることはなかった。大学4年時に独立リーグ・信濃グランセローズのトライアウトを受けて合格。信濃では最多勝のタイトルを獲得する活躍を見せると、2024年からはイースタン・リーグのオイシックス新潟に所属。2年目の今季は中盤から中継ぎとして活躍。150キロを超える直球でリーグ防御率、奪三振数で2位に輝いた。

 白樺学園高時代、監督として指導した戸出直樹さんは、指名後すぐに本人から連絡の電話があったことを明かした。「連絡をすぐにくれた。良かった、おめでとうと」。高校時代の牧野投手の印象は「落ち着いたピッチングができる。物おじしない」。高校時代は先発だったが、現在は中継ぎ。「大事な場面でマウンドに上がると思う。今までの経験を生かして、活躍してもらいたい」とエールを送った。

 まずは支配下登録を目指す。記者会見で牧野は「年齢も来年で27なので、のんびりしている暇はない。いち早く即戦力として力になれるように頑張りたい」と決意を込めた。

<まきの・けんしん>
 1999年9月19日、帯広市生まれ。26歳。180センチ、83キロ。左投げ左打ち。今季は102回と3分の1を投げて防御率2・90、4勝3敗、87奪三振を記録。防御率と奪三振数はリーグ2位。150キロを超えるストレートで打者を制圧した。

関連写真

  • 中日ドラゴンズから4位指名を受け笑顔を見せる音更町出身の能戸輝夢(学校提供)

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