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本別のがんこ農場2 カボチャの種まき省力化機械を開発

開発した手持ち播種機をアピールする前佛さんと楠茂代表(左から)

 【本別】十勝がんこ農場2(本別町西美里別54)は、カボチャの種を楽にまくための「手持ち播種(はしゅ)機」を開発した。腰をかがめて作業する必要がないため体への負担が少なく、作業効率の向上にもつながる。6月に実用新案を登録済みで、同業のカボチャ農家などに使ってもらいたいと考えている。(佐藤匡聡)

 ビートの補植機などを参考に、機械の先端を土に差した後、グリップ部分を握ると先端が開き、充填(じゅうてん)した種が落下しながら土に固定される仕組み。

 カボチャの種は、とがった部分から根が生え、丸みのある部分は茎や葉が生えるため、播種時は種の天地が重要になる。開発した手持ち播種機は種のとがった部分を下にして1粒ずつ充填し、通り口が種の大きさに合わせた専用設計なので、市販のハンドプランターのように天地が逆になる心配が少ない。

 1メートルほどのサイズで、位置合わせが簡単なためマルチシートの穴中心部に添えやすく、成長し始めた茎がシート下面で干渉し、葉が出てこなかったり焼けてしまったりするなどの不具合も少ない。耕作条件によって異なるマルチの敷き方にも種の向きを合わせられるので、生育後の管理もしやすい。

 十勝がんこ農場2は、楠茂政則代表(80)と前佛由美子さん(63)が中心となって畑を管理。カボチャの播種は腰の負担が大きく、収量を増やしたくても作業負担がネックとなっていた。そんな中で前佛さんが「楽に播種できる機械を作れないか」と考え、1月ごろ楠茂代表の知人に相談。試作を繰り返し、今季の播種に間に合わせた。

 昨年は1日で50アールほど作業したが、手持ち播種機を投入した今年は2倍の1ヘクタールほどで作業できるようになり、全体で7000粒の種をまいた。「カボチャの種に合わせた専用設計なので、先端が開きすぎることがなく、失敗なく作業できた」と前佛さんはご満悦。

 楠茂代表は「作物に足音を聞かせて育てるのが十勝がんこ農場2の理念。これからも作物と接した『ものづくり』を心掛けたい」と話している。

 販売価格は検討中で、問い合わせは同農場(080・6064・8656)へ。

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