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ケイセイ創業100周年 木材で発展、家畜資材柱に はぐくーむ管理も

はぐくーむの指定管理者としてさまざまな活動を行うケイセイ(2023年)

 家畜資材販売や「帯広の森」管理などを担うケイセイ(帯広市、佐野公彦会長、高桑裕次社長)は、創立100周年を迎えた。樺太で造材業を起こし、高度経済成長期を経て木材産業を柱に一大グループを形成したが、多角化などがマイナスとなり厳しい時期も長く経験した。節目を記念し拠点がある地域を中心に各種寄贈を順次展開し、14日には音更町内で式典を開く。(佐藤いづみ)

節目に道内各地で寄贈
 同社は売上高の8割を占める家畜資材販売と、祖業の木材総合産業(造林やチップ製造、木材加工など)、造園緑化、指定管理の4事業を展開。特に指定管理では2010年から「帯広の森」主要施設・はぐくーむの運営を担っている。資本金4000万円、従業員90人、売上高は約48億6400万円(24年3月期)。

初代社長の佐野恵策氏

佐野公彦会長

高桑裕次社長


 1924(大正13)年、故佐野恵策氏が樺太・恵須取町で「佐野造材部」を創業。王子製紙と取引し、運輸事業も手掛けた。終戦で事業を閉鎖。敗戦直後の樺太でソ連軍の侵攻を受け、集団自決を図った看護婦たちの多くの命を社員が救った話は書籍にもなった。

 46年に陸別町で素材生産業を再開。54年に恵盛木材を設立し、帯広市東5南7に本社を置く。58年の上士幌町を皮切りに道内外各地にチップ工場を次々と新設、現在も残る根室管内中標津町では製材工場も併設した。68年に土木事業、70年には建築資材・住宅設備部門にも進出する。

 家畜資材事業の源流は73年開始の粗飼料製造販売で、芽室町に工場を建設。76年には緑化・造園事業を開始。M&Aなどで多角化を推進し、2000年代初頭にはソフトウエア販売や商業施設設計など8社を展開した。1992年現社名に。その間、社長は恵策氏の養子で帯広商工会議所副会頭も務めた故光男氏、光男氏の長男公彦氏(70)、飼料事業を立ち上げた故由佐壽朗氏が務めた。

 2000年代半ば以降、木材の需要減や多角化がマイナスとなり経営が悪化、本社ビル売却や事業譲渡、グループ会社の整理などリストラを断行、立て直しを図った。公彦氏は08年から社長に再登板、22年からは北洋銀行出身の高桑氏(68)を招聘(しょうへい)し、会長に。昨年から2人が代表権を持つ。

 飼料と木材などの拠点がある宗谷管内豊富町に昨年10月テーブルなどを寄贈、中標津町の公園にあずまやを整備、芽室町と帯広市にも近く各種寄贈を予定している。高桑社長は「地域社会に信頼される企業づくりに向け、飼料販売では一層顧客との信頼関係を強化する。帯広の森運営などで培ったノウハウで指定管理事業も広げたい。その意味でも人材育成に力を入れていく」と話している。

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  • 2代目社長の佐野光男氏

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  • 社会的事業として力を入れる指定管理事業の柱となる帯広の森はぐくーむ

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  • はぐくーむの指定管理者として帯広の森の利活用に向けた事業を展開するケイセイ=2023年

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