帯広発「パラコレ」万博で 「車いすで着物」世界に発信
帯広発の障害者のファッションショー「パラコレクション(パラコレ)」が、2025年の大阪・関西万博で行われることが決まった。コンセプトは「着物で世界を包み込め!」。日本理美容福祉協会帯広センター代表でパラコレ主宰の森田浩幸さん(58)は、「車いすの人も着物を着られることをアピールできる」と内定を喜んでいる。(高井翔太)
パラコレは、森田さんが「障害のある人がランウエーを歩くことで自信を得て、人生の後押しになれば」との思いで企画、21年に初開催した。22年には商標登録し、各地の団体がイベントを主催する際も森田さんが協力してきた。
着付け教室などを展開し、初の道外開催となった同年の「パラコレ大阪」を主催した心華(ここはな)の常盤尚子社長が、万博の一般参加催事に応募。10月下旬に内定を得た。来年4月17日正午から、海に近い会場のポップアップステージ南で開催する。
世界に誇る民族衣装の着物だが、「車いすから立たせて着せると崩れてしまったり、体に負担がかかってしまったりすることから着るのを諦め、処分する人もいる」と森田さんは言う。このため車いす着付け師により、障害のある人も着られることをパラコレを通じて伝えてきた。
また、ショーの最後には、出場したパラコレモデルが困っていることや、訴えたいことを発言する場を設けている。健常者による代弁では、当事者の思いは伝わらないと森田さんは考えており、万博会場でもその機会をつくるつもりだ。
「障害者がテレビの脇役に普通に映るようになれば」。森田さんは万博での開催を弾みに、障害者が特別視されず、当たり前の存在に近づくことを期待する。