ごみをアートに、SNSで発信 帯広市の加藤さんポイ捨て防止啓発で
帯広市西9南1の加藤芳規さん(82)は8年前から毎日、近所のごみ拾いを続け、ごみ拾いSNS「ピリカ」に、2週間分のごみを集めた袋で作る文字アートの写真を投稿している。これまで「ポ・イ・ス・テ」などを作り、19日は「ダメ」と描き啓発した。加藤さんは「車の通りが多い所はごみも多い。とにかくポイ捨てはやめようと呼び掛けたい」と訴える。(高井翔太)
加藤さんがごみ拾いを始めたのは、健康のために散歩をしていた時、街中のごみを拾う女性を見かけたことがきっかけ。個人で帯広市の清掃ボランティアをしていると聞き、自身も取り組むようになった。
3~12月の天気の良い日はごみ袋を手に、自宅から帯広中央病院方面や帯広川沿いなど毎朝コースを変えて4、5キロ歩いている。車から捨てられたと思われる空き缶やコンビニ弁当のごみが多く、1回で20リットルの袋がいっぱいになる。「雪が解けた後はたくさんのごみが現れるので春先は2袋持って歩いている」という。
3年ほど前からは記録のために写真を撮るように。投稿を始めてからは、並べるだけでなくアルファベットを描くなど印象に残るよう工夫。最近は、集めたごみを入れた袋でメッセージを描く試みも始めた。「警鐘を鳴らしていければ」と語る。
ピリカは、拾ったごみの量や場所をスマートフォンに記録し、発信できるアプリ。友人にアプリを教えてもらった。月2回、今まで計60回ほど投稿している。ユーザー間でコメントや、「ありがとう」といった意思表示も伝えられ、投稿の一つには45の「ありがとう」が送られていた。
これまで帯広川の西11条橋のたもとなどに自作の看板を7、8カ所立て、自費で本紙にも意見広告を出してきた。また警察などにも相談しながらポイ捨て減少に取り組むが道半ば。毎日同じ場所に同じような空き缶が捨てられている所もある。「元気なうちは散歩をしながら続けていきたい。ポイ捨て禁止の条例を制定するなど、無くす方法を皆さんも考えて」ときれいな街への思いは尽きない。
個人を対象にした市の清掃ボランティア活動「エコフレンズ」では、市環境課で名前などの登録をすると指定のごみ袋を受け取ることができる。ピリカの詳細はホームページへ。