計測できませんが…減速効果は太鼓判? 広尾署がオービスの手作り「ダミー」
【広尾】広尾署は交通事故の防止対策として、速度違反取り締まり装置「オービス」(移動式)のダミーを2基導入した。広尾地区安全運転管理者協会広尾支部の準安全運転管理者部会(菅原靖弥部会長)が協力、廃材を活用して手作りした。同署は「速度は計測できないが、減速効果は十分」としている。(能勢雄太郎)
ダミーオービスは幅約25センチ、高さ・奥行きはそれぞれ約30センチのスチール製の箱。三脚部分を含めると高さは1・2メートル程度になる。正面には撮影用のレンズやストロボに見立てた部品が配置されている。
高額な移動式オービスは管内に1台(十勝機動警察隊)しかなく、広尾署が「速度抑制用の資機材」として同部会にダミーの製作を依頼。建設会社を経営する菅原部会長(70)が中心になって作業を進めた。自動車部品、事務用品などの廃材を有効活用し、製作費は「ほぼゼロ」という。
9日には広尾町野塚の国道336号で、本機とダミーを併用して速度取り締まりを実施。菅原部会長と副部会長の長利春さん(72)、柴崎尚利さん(69)が立ち会った。通行車両は広尾署員とダミーオービスに気付き、速度を緩めていた。
菅原部会長は「昨年は大樹で4人が死亡する重大事故が発生した。広尾町内では交通事故死ゼロを続けており、間もなく1000日を迎える。悲惨な事故がないようにとの願いを込めた」と述べた。
同署では「交通事故の原因の多くはスピードの出し過ぎ。ダミーでも目に入ればドライバーは減速する。交通事故の抑止につながれば」と期待している。