オオワシから鉛弾 足寄で死骸、シカ猟で違法使用か
【札幌】環境省北海道地方環境事務所は1月31日、足寄町内で見つかったオオワシの死骸から、鉛ライフル弾が発見されたと発表した。原因究明の結果、ハンターがエゾシカ猟で使用した違法の鉛弾を摂食したために死亡したと推定されることから、同事務所は道を通じて狩猟者団体などへ注意喚起した。
オオワシはロシア極東や日本に分布し、道内では道東を中心に分散して越冬している。国の天然記念物で絶滅危惧種にも指定されている。
同事務所によると、1月18日に足寄町内で死んでいるオオワシが発見され、猛禽類医学研究所(釧路)の獣医師が調査を行った。死んだ個体の胃の中からは3個の鉛片が見つかり、鉛中毒症で死亡したことが分かった。
道内でオオワシが鉛中毒で死亡するのは2年ぶり。管内では2016年2月に広尾町内で、鉛弾で狩猟されたエゾシカを食べて死んだとみられる個体が発見されている。道内では鉛が原因で希少なオオワシなどが多数死亡したことから、狩猟において鉛ライフル弾、鉛散弾の使用が禁止されており、同事務所は改めて注意を呼び掛けている。(奥野秀康)