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飲食店と美容室の併設店を発案、美容師の渡具知さん「街に高校生を」

美容室と飲食店の併設店を展開する小林社長(前)と事業パートナーで美容師の渡具知代表

 ミライズグループ(帯広市、小林義幸社長)が12月8日に帯広市西3南9でオープン予定の、飲食店と美容室の併設店舗「コバトヤ」。食事メニューを提供する店と同空間に美容室があるのは十勝で初めてで、国内でも珍しいケース。発案者で、事業パートナーとして迎えられた美容室Sika Hair代表の渡具知亜由美さん(37)は「高校生を街に戻すきっかけをつくりたい」と意気込んでいる。(ライター・高山かおり)

カフェの併設でリラックス効果
 渡具知代表は帯広市出身。帯広東小、帯広第六(現・翔陽)中、帯広三条高校を卒業後、東京都内の美容専門学校へ進学。都内と沖縄県の数店舗を経て、2012年Uターン。育休を挟みながら市内数店舗の勤務を経て、今回、Sika Hair代表として独立する。

 藤丸や長崎屋など大型店の閉店が相次ぐ市の中心部で「高校生などの若い世代が集える場所が減っている」と感じていた渡具知代表。高校生を街に戻すためには、集える場の提供が必要と考え、市中心部でカフェを併設した美容室を営むための物件を探していた。

 美容室にカフェを併設させたいと思ったのは、渡具知代表の母が帯広市内で喫茶店「ダージリン」(東1南3)を営んでおり、幼い頃から身近な存在だったことが大きい。「小学生の頃から店を手伝う中で、喫茶店はリラックスできる居場所だと体感してきた」と語る。

 西3南9でコロナ禍前に営業していた飲食店のコバトヤの空間に引かれ、問い合わせた。小林社長と初めて対面し、自身の事業や街への思いをぶつけた。小林社長は、これまで物件への問い合わせは数件あったといい、「多方面の事業を展開してきたが、美容業態はこれまでなかった。ビジネスモデルとしてまず興味を持った」と振り返る。

 「高校生を街に戻し、彼らが大人になった時にもう一度街に戻ってきてほしい」という渡具知さんの思いに共感した小林社長。「街づくりの観点として抜けていた発想だと感じた。一緒に事業をやる上で私たちが目指す価値を提供できると感じ、パートナーとして迎え入れた」と話した。

観光メニューや保育連携も視野
 Sika Hairではヘアケアに特に力を入れる。学生が利用しやすいメニューの他、観光客も取り込めるようなヘッドスパメニューなども検討中。また、同建物内に保育園もあることから、「将来的には、髪を切っている間に保育園で小さな子どもの一時預かりができ、帰りにコバトヤで食事をテークアウトできるような、1カ所で完結できる場所にもしたい。そうすると私のような親たちは助かる」と話している。

 店内は高さ約2メートルの壁で仕切られ、店内の扉で行き来できる。飲食店の「コバトヤ」はランチから夜までの営業予定。

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