札幌の人気カレーがふるさと給食に 本別町と店がコラボ 22日提供 町内食材でデザート含む4品
【本別】本別町学校給食共同調理場は、札幌の人気スープカレー店「GARAKU(ガラク)」と連携した給食を22日に提供する。キーマカレーや野菜のマリネなど地場産品を使った4品。町内の農業者が両者を結び付けて実現した。同調理場と民間とのコラボ給食は初とみられ、副主査の山川司さんは「垣根を越えた取り組み。給食でも町おこしができる。今後も続けたい」と話す。当日はガラクのスタッフが本別で調理する。(北雅貴)
本別では毎年「食べて学ぶふるさと給食」と称し、町産食材を最大限に活用した給食を保育園児から高校生まで提供。地場の農畜産物や地元加工食品への理解を深めることなどを目的に実施してきた。同時に、同給食の目的を小学生の保護者にも知ってもらおうと「親子ふれあい給食」も開催していたが、コロナ禍で中止が続いていた。4年ぶりの同時開催となる。
ガラク(福生雅寿社長)は2007年に開業し札幌や千歳、東京、バンコク(タイ)などに店舗を構える人気店。昨年にはルーカレーの専門店も開店している。
本別町と結び付けたのは町内の前田牧場で働く盛政雄さん。以前札幌に住んでいた際の常連客で、本別に移住後も、18年に町農協青年部が生産したヤーコン、キクイモとアピオスの「世界三大健康野菜」をガラクに提供して期間限定カレーに。町内の井出農場が生産するジャガイモ「レッドムーン」のブランド「イデレッド」も売り込み、21年からサイドメニューに使われている。
今回はガラクが食育に関心を持っていると知り、山川さんに話を持ちかけた。「自分は両者の間を取り持っただけ。子どもたちが有名店の作ったキーマカレーを食べていろいろと感じてもらえればうれしい」と喜ぶ。
当日のメニューは、「本別産はるきらりのフォカッチャ」「GARAKU元気ーマカレー」「ほんべつ野菜のマリネ」「餡人(あんにん)豆腐」。フォカッチャは町内の前田農産食品の小麦粉を、キーマカレーにはふぁーむ・おがわの豚肉や、若木農場・川上農場のタマネギ、JA本別町で加工している大豆ミートなどを使用。戸田農場の紫タマネギなど色鮮やかなマリネに、デザートは同JAの高級大納言小豆を使ったあんこ「まれ」と、三井極農場の甘みのあるニンジンのアロマレッドを使う。約650食を準備する予定。
山川さんは「肉や野菜から命をもらっているだけでなく、生産に関わる人たちも時間と命を削って取り組んでいる。子どもたちはそのことを知った上で『いただきます』と言ってもらえたら。その後は食事を楽しんでほしい」と話している。