長崎屋帯広店、登寿HD取得 全テナントと契約継続へ
「長崎屋帯広店」(帯広市西4南12)の土地建物について、所有する長崎屋(東京)と交渉してきた宮坂建設工業(帯広市、宮坂寿文社長)グループの登寿ホールディングス(同、同)との間で売買契約が結ばれたことが15日までに分かった。登寿HDは同店テナント全店と契約を継承する意向だが、今後の利活用や現施設での営業期限などについて現時点で未定とする。
同店にはスーパー・フクハラ(福原)や喜久屋書店、カレーのインデアン(藤森商会)、郵便局、歯科医院など約30テナントが入居。契約期限などはそれぞれとされる。関係者によると、14日までにテナント側に、長崎屋系列の不動産管理会社から契約が登寿HDに継承されることなどの連絡があったとし、順次テナントに直接説明を始めている。
長崎屋帯広店を巡っては、登寿HDが長崎屋と土地建物の取得交渉をしていることが4月に表面化、その後、長崎屋の親会社「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」(PPIH、東京)側が直営部門の営業を7月末で終了する旨を対象従業員らに報告している。
関係者によると、登寿HD側は8月以降もテナントの営業を継続する意向を持っているとされ、あるテナントは「契約に基づき登寿のもと、営業できる旨、管理会社の担当者から告げられた。ただ、詳細は今後、登寿側と話していくことになる」と話した。
登寿HDは十勝毎日新聞社の取材に対し、取得する事実を認めた上で「取得額などは言えない。テナントとの契約切り替えなどを順次進めていく。今後の(利活用など)動きについては現在検討中」とする。
同店は1990年開店、鉄骨・鉄筋コンクリート造り地上5階建て約2万3500平方メートル。帯広市は駐車場利用契約を結んでおり、年間1200万円余りを負担している。(佐藤いづみ、吉原慧)