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亡き妻が記した原稿を一冊に 池田の画家由良さんが出版

亡き妻久子さんがつづった書籍を手に取る由良さん

 【池田】池田町在住の画家由良真一さん(67)の妻久子さん(2022年2月死去)が残した原稿を基にした書籍「天国からのラブレター」が由良さんによって出版された。夫婦の歩んできた人生を一冊の本にしようと、久子さんが生前に書き進めていた原稿。久子さんの生い立ち、2人の出会いや海外生活、足寄町など北海道での暮らしぶりがつづられている。(本田龍之介)

 久子さんは1945年に滋賀県で生まれ、高校卒業後に自動車メーカー、広告会社などで勤務。79年から米国カリフォルニア州のモントレー・ペニンシュラ・カレッジに留学し、同校で美術を専攻していた由良さんと出会った。久子さんも美術の授業を受講していた縁もあり、2人は意気投合。82年に帰国し、84年に由良さんが育った足寄町に移住し結婚。同書では、足寄での生活までがまとめられている。

 2021年、2人の人生を振り返る本を作ろうと決意。久子さんが、これまでに撮りためてきた写真や新聞記事のスクラップなどを基に書き進めていた。だが22年、腹部大動脈瘤(りゅう)破裂により、志半ばで急死。01年に池田町青山の離農住宅を取得し移住した後のエピソードはまだ書き残されていなかった。

 悲しみに暮れる由良さんは、久子さんが書き進めていた原稿の入ったパソコンを半年開けなかったという。由良さんの芸術活動を傍らで見守ってきた久子さん。由良さんは「自分が自由でいるための環境をつくってくれていたのだと彼女が書いた原稿を読んで改めて感じた」と涙ながらに振り返った。また、留学中に久子さんが教師から「洞察力がある」と評されていたことを思い起こし、「自分は絵をやっていたが、彼女は言葉にできる力があり、かっこいいなと思っていた。優しく気持ちを伝えられる人だった」としのんだ。

 昨年12月に発行し、500冊のうち約300冊を近親者らに配った。由良さんは「希望があれば喜んでお譲りしたい」と話している。問い合わせは由良さん(090・3397・3359)へ。

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