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技能実習生から介護福祉士に 元気の里とかちのベトナム人3人が十勝初快挙

介護福祉士の合格証書を手に笑顔を見せる(左から)ダオさん、トウさん、チュックさん

 帯広市、音更町、更別村で高齢者施設を運営する「社会福祉法人元気の里とかち」(本部音更、櫻井博一理事長)で働くベトナム人3人が介護福祉士国家試験に合格した。同法人によれば、技能実習生として来日した外国人が介護福祉士になったのは十勝で初めて。受験した全員が合格し、3人は「勉強を頑張ってきたのでうれしい」と喜んでいる。(松村智裕)

 合格したのはグエン・ティ・ホン・ダオさん(26)、ドー・ヴォン・ホン・トウさん(25)、チャン・ゴック・トゥイ・タイン・チュックさん(28)の女性3人。

 同法人は2019年7月、ベトナム人技能実習生を管内では最も早く介護職員として採用。今回はその1期生3人が「介護施設での3年以上の実務経験かつ実務者研修の受講」という受験資格を満たし、今年1月下旬に筆記試験を受験。3月下旬に朗報が届いた。

 3人は現在、ダオさんとトウさんがグループホーム(GH)清流の里(帯広)、チュックさんはGHひびき野(音更)で介護業務を担当。食事や入浴、トイレの介助などに取り組むほか、ベトナム料理を時折振る舞い、入所者を喜ばせている。

 試験では介護に関する知識に加え、日本語で書かれた問題文の読解力も必要。3人は休みの日や空き時間を活用して猛勉強し、オンライン学習にも励んだ。

 チュックさんは「勉強が大変でやめたくなる時もあったので、頑張って良かった。ベトナムの家族も施設の利用者さんも喜んでくれた」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。トウさんは「利用者さんが笑顔になってくれることが仕事のやりがい。介護福祉士に合格したけれど、知識はまだ足りない。もっと勉強しないと」と意欲を新たにする。

 ダオさんは「これまで勉強してきた経験を生かして、お年寄りと接したい。今後は社会福祉士合格など新たな目標をつくって頑張りたい」と高みを見据える。

介護ビザ取得へ
 3人の在留資格は、3年間の「技能実習」を経て、昨年6月から「特定技能」に。今回の合格で「介護」ビザを取得することができ、3人は「日本でずっと働きたい」と声をそろえる。

 同法人では職員約200人のうち、ベトナム人が18人と約1割を占める。櫻井理事長は「3人とも努力を続けて、介護のプロフェッショナルになった。介護人材の不足が叫ばれる中、彼女たちにはリーダーとして頑張ってほしい」と期待を寄せる。

関連写真

  • 介護福祉士合格を喜ぶ(左から)ダオさん、櫻井理事長、トウさん、チュックさん

    介護福祉士合格を喜ぶ(左から)ダオさん、櫻井理事長、トウさん、チュックさん

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