インデアン大繁盛、エスコンフィールドで十勝からの観客も大盛り上がり
【北広島】プロ野球パ・リーグ北海道日本ハムファイターズの新本拠地エスコンフィールド北海道で30日、今季の開幕試合が行われた。東北楽天ゴールデンイーグルスとの対戦に、約3万1000人の観客が来場。十勝からの日ハムファンも新球場を体感しつつ、歴史的な一戦での勝利を願い続けた。(文・新井拓海、写真・金野和彦)
北海道日本ハムファイターズ十勝ビクトリー後援会の脇坂芳廣さん(69)は、帯広市出身の杉浦稔大投手のユニホーム姿で3階席から応援し、「のぞき込むような感覚で上の階でも見やすい。3階からでも臨場感がある」。今後は、より迫力を感じられる下の階での観戦にも臨むつもりだという。
試合は日本ハムが六回表までに3点を先行される苦しい展開に。その裏の攻撃では4番・野村佑希選手の犠飛で1点を奪取するも1-3で敗れた。それでも最終回に左翼手・松本剛選手が打球を好捕する場面もあり、その様子が大型ビジョンに繰り返し映し出されると、新球場に大きな拍手が響いた。
父親と観戦した藤村雄真さん(帯広第八中1年)は、「札幌ドームより広くて見やすかった。(最終回の)松本選手のようなプレーが増えてほしい。今後はチーム一丸となって優勝を」と期待した。
インデアンの限定メニュー大人気
日ハムの開幕3連戦の期間限定で同球場に出店する藤森商会(帯広市、藤森康容社長)のカレーショップ「インデアン」が、初日から大盛況ぶりを見せた。
インデアンカレー850円800食と、限定メニューの十勝のハンバーグカレー1200円150食の2種類を、持ち帰りのみで用意。帯広市広小路の飲食店「Easy Diner7026」特製の十勝産食材を使ったハンバーグの限定カレーは、開場から30分で完売。インデアンカレーも試合開始30分で売り切れた。
藤森社長は「開場時の(客の)勢いがすごく、列の並び方や食数を考えなくては」と話すほど。一時、客が列に並ぶことを断りながらの販売だったが、「自分の前で売り切れてもいいから並ばせてくれ」と、懇願する楽天ファンも現れた。
江別市在住の佐藤潤さん(52)は妻と1種類ずつ購入。「仕事で十勝に行くことが多いが、インデアンには必ず行く。試合前に食べます」と、カレーを手に笑顔で応援席へ向かった。
支払いに戸惑い、帰りは大混雑
本格的な開業に合わせて、球場運営の現場で戸惑いの様子も見られた。
同球場では食べ物やグッズなどの会計に現金は原則使えず、クレジットカードや電子マネーなどを用いる。来場者の一人は「スマホ一つ持っていれば完結かと思ったが電波のせいなのか決済サービスの反応が悪かった。クレジットカードもあった方が良いかも」。
札幌ドームでも飲み物を販売していたという売り子の女性からは、「今までは自分で計算して商品をすぐに渡せていた。今は決済に使う機器が再起動を始めてしまうこともあり、お客さまを待たせしてしまう」との声も聞かれた。ただ、球場内で使える電子カードを販売する球場内の案内所によると、キャッシュレス決済のトラブルは、同球場でオープン戦が始まったころに比べると聞かなくなったという。
試合後には帰路につく観客があふれ、球場からの交通機関は大混雑した。新札幌駅、野幌駅、北広島駅行きの各バスや、タクシーはいずれも1時間以上待ち。北広島駅行きのバスの列へ並ぼうとする来場者に、誘導係が「歩いた方が早い」と促す場面もあった。
エスコンフィールドで十勝からの観客も大盛り上がり