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忠類の森カフェが閉店、トマムの26歳但馬さんにバトンタッチ

坂井さんからコーヒーカップを託される但馬さん(左)

 【幕別】幕別町内の森カフェTomono(忠類東宝)が31日に閉店する。4月22日からは東京都出身で上川管内占冠村トマム在住の但馬望里(みのり)さん(26)が十勝に移住し、同地で「Cafe森の音こ(もりのねこ)」を開く。現店主の坂井友子さん(49)は4月に十勝を離れ、次の住まいを探す旅に出る。

2人とも旅人
 新潟県出身の坂井さんは、「食べ物がおいしい場所でカフェをやりたい」と27歳のときに陸別町へ移住。小利別でカフェを営むなどした後、理想の「森カフェ」を求めて2021年に現在の店を開いた。「最高の店だった。目指していたフィナーレにふさわしい」とし、満足感とともに店を閉める決意をした。

 閉店後は人生の目標である「自然の中で生きる」ことができる場所に巡り合うまで日本中を旅する。燃料や除雪の労力が必要な寒冷地では理想がかなわず、「北海道に戻るつもりはない」ときっぱり。まずは沖縄県西表島に向かうという。

 但馬さんは高校時代に進路で悩み、卒業後は日本一周の旅へ出た。旅の縁もあり、4年前から道内を生活の拠点に。星野リゾートトマム内のカフェで菓子の製造・販売を手掛けながら、休日は道内各地のイベントで移動販売の菓子店を展開している。

縁をつないで
 客として坂井さんと親しくなり、店を閉めることを知って引き継ぎを申し出た。但馬さんの申し出を坂井さんは二つ返事で了承。坂井さんは「すごくパワフルで、やると決めたらすぐに動ける子」と太鼓判を押す。店内の資材は、食器や調理器具など含め、ほぼ全てを引き継ぐ。

 新たな店は「友達を自宅に招くような、気軽に入れる店にしたい」と但馬さん。コンセプトやメニューなどはっきりと決まっていないが、「コーヒーは自家焙煎(ばいせん)、食事は日替わりや週替わりで楽しんでもらえるようにしたい」と話す。

 森カフェTomonoは31日までの営業で、今月は木曜のみ定休。最終週の30日は営業する。坂井さんは「十勝は最高だった。たくさんの人とのご縁で今までやってこられた。本当に感謝しかない」と20年以上の十勝での日々に思いをはせている。(柳田輝)


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