十勝のアドベンチャーツーリズム推進へ 道観光振興機構などがインバウンド観光人材研修
外国人観光客の受け入れ体制整備や地域の自然、文化を体験するアドベンチャー・ツーリズム推進に向け、北海道観光振興機構と帯広市は4~6日、「インバウンド観光人材スキルアップ研修」を市内で実施した。十勝管内の自治体や観光事業者約20人が参加し、ポストコロナに向けた取り組みを学んだ。(大海雪乃)
帯広市では、来年9月に札幌市を主会場に開催される世界的な観光商談会「アドベンチャートラベル・ワールドサミット」会期後に、参加者が実際にツアーを体験するポストサミットの開催が予定されている。研修は、4日は自治体、5、6の両日は事業者向けに行い、タナベコンサルティング北海道支社の矢野裕之氏がコーディネーターを務めた。
6日のサイクリング体験実習では、自然加工体験施設(拓成町)を発着点とし、岩内仙峡や中札内村を経由する約50キロのコースをロードバイクで滑走。参加者は会話を楽しみながら、ジャガイモの収穫風景やススキなど、季節やその土地の魅力を味わった。
講師を務めたサイクリングツアー企画などのNORTH GEAR(上川管内南富良野町)の坂本暢社長は、「十勝には無限の可能性がある。サイクリングで訪れる絶景は高い地点にありがちだが、十勝は平たんな道が多く、初心者も楽しめる」と語った。
4、5の両日は市内のとかちプラザで講義を行い、ムスリムなど多様性への対応、魅力あるコンテンツ造成と情報発信などを学んだ。矢野氏は、事業の構想を可視化するビジョンマップの作成事例を紹介し、「地域の合意形成のために、取り組みを一目で分かってもらえる」とした。
参加した犬ぞり体験のマッシングワークス(鹿追町)の滝田武志代表は、「外部からの十勝の評価の高さに改めて気付かされた。まだポテンシャルの高さを表現できていないと感じた」と話していた。