大学生が十勝農業を視察 アグリ・フードサミットを前に
農業・食を核にした事業創発を目的としたビジネスカンファレンス「十勝アグリ&フードサミット」が29日、帯広市内のベルクラシック帯広で開かれる。その中でトークセッションに参加する道内外の大学生が、26~28の3日間、管内各地の農場や農業関連企業・団体をめぐり、十勝農業への理解を深めた。(能勢雄太郎、大海雪乃)
同サミットは、とかち財団が主催。「北海道宇宙サミット2022」(実行委主催)と同時開催される。
大学生が登壇するトークセッション(午後1時半~同2時半)は、外部の視点で十勝農業への提言を繰り広げる「トカチダネ」。北大、筑波大、東大、立命館大、東海大、宮崎大の農業系サークルから計26人が参加。「経済」「技術」「環境」「つながり」の4テーマに分かれて発信する。
このうち、「つながり」がテーマの6人は27日、広尾町を拠点に農漁村体験型観光に取り組むピロロツーリズム推進協議会を訪問。会長の菊地亜希さんが経営する牧場やカフェを視察し、実際に乳牛と触れ合い“農村とつながる”ことの楽しさを体感した。
宮崎大教育学部4年の納富崇さん(23)は「とにかく広さを実感。牛に触ることができて感激した」と笑顔。自身はオンライン塾を運営する事業家で、「教え子たちに十勝農業を紹介したい」と話していた。
また、「農業×環境」グループの7人は同日、土谷特殊農機具製作所(帯広市)を訪問。営業企画室の土谷樹生さんからバイオガスプラントの仕組みや実用性などについて学んだ。学生たちは、「(処理で発生する)消化液を肥料として他の畑作農家に使ってもらえるようにするにはどんな取り組みが必要か」「消化液は稲作でも使えるか」など次々と質問した。
東海大学農学部2年の上夷遥菜さん(20)は、「大規模だからこその職業がいっぱいある。豊かな資源を活用した取り組みに可能性を感じた」と話していた。