小豆の収穫盛ん、本別でニオ積み
【本別】日本一の豆の産地・十勝で小豆の収穫作業が最盛期を迎えている。刈り取り、脱穀を同時に行うコンバインによる収穫が主流だが、畑に積み上げて自然乾燥させる「ニオ積み」も一部で行われている。
約3・5ヘクタールの畑で手亡、金時、小豆を作付けする本別町西美里別の河野広明さん(74)は、全てニオ積みで収穫している。畑で乾燥させると色味がきれいに残り、風味の良い高品質の豆が取れる。JAを中心に出荷しており、札幌の業者からも引き合いがある。
今年は播種(はしゅ)、出芽と順調に進み、9月の好天で一気に生育が進んだ。登熟期間が短かったため小粒傾向だが、品質は良好という。ニオ積みは重労働だが、河野さんは「品質が安定するし風味が違う。地区の仲間に応援してもらいながら作業している」と妻の町子さん(65)と長年続けている。
国産小豆の7割を占めるなど豆類の生産が盛んな十勝でも、ニオ積みを続ける農家はわずかになった。畑に点々と連なる姿は秋の風物詩で、豆の国・十勝の原風景ともいえる。(安田義教)